ハンチングベレー帽を入手

私の不調が収まりかけたかと思えば、猫たちが外患に遭う。ブーは猫風邪だろうか、目やにと時折のクシャミ。病院に連れて行こうとするにも、車の中で鳴いて鳴いて。このためサプリの大量投与でやっと元気を回復させているようなこと。ウーは侵入してくる外猫のいじめに遭ってひどいPTSD症状を呈する有様。前に書いたように、相手を直視し続けることがウーの短所。これは、相手が喧嘩を売られているととるらしいから、それが原因かもしれないが、それはあまりにも理不尽というもの。人間なら、好意の証でもあろうに。ブーもフーもオス猫は逃げ去るだけの意気地なしときている。無断侵入は相手が悪いのだから、私が深夜を問わず、猫たちに成り代わって相手を追い回すようなこともしばしば。このため、私は猫たちの保護者であるとともに、ヒーローになっているようなわけだ。
ブーとウーに力をかけるとフーが寂しそう。私は愛情に不公平はないと、それぞれを一日何度も愛撫してやる。こうして不思議にも三匹とも、私の傍を通るときは、私に必ず鳴いて合図するようになった。いちいち鳴くから、何か求めているのかと気が気でない。彼らの本能の催す礼儀が、人間の場合とはちと違うのが意思のすれ違いになっていることは否めない。猫の言葉がわかるようになれば、どれほど便利だろう。
しかし、深夜何時を問わず、寝ていて、たいがい外猫の侵入があれば、私の寝床の傍でとぐろを巻いて寝ていた三匹が、すっくと座り、私も直ちに精神感応的にすっくと起きてしまうのは、猫語(猫テレパシー)を理解しつつある証拠かも知れない。
いずれにしても、この状況下にあって、先に逝くわけにはいかない。ところが、召還の兆しは随所に現れている。
先のちょっとした傷からばい菌に冒され(たぶん炭疽菌ではないか)たり、歩行中にも簡単にバランスを崩すようになった。山道では危険この上ないが、何とか無難にこなせているようなこと。
しかしこの時期、新神話の催しからすると、陰謀死する可能性が大いにある。そんなときに呼び寄せずとも良い、得体の知れない人物を呼んだりもして、体力気力の低下を招いてしまった結果の大病だった。この時期、気をつけねばならないのに。
が、単に消極防御策しか講じれないのではどうにもならない。
そこで積極策として思いついたのが、自己神話への切り替えである。かつて夢見コントロールして行き着いた、私の未来像との出会い、その逆バージョンを果たすことを目標としたい。そうすれば、私は未来のある時点まで生きていることになるはずだ。
その夢見については ⇒ https://ufocolumn.blog2.fc2.com/blog-entry-384.html
このため、私はあのときの夢で出会った男の被っていたものに似たベレー帽を手に入れた。
つまり、今の私が、あの夢見のときの相手人物に成り代わるわけである。そして、いずれやってくる(だろう)ところの、過去の私の訪問を受け、このような会話のやり取りをすることになる。
過去の私:「あなたはいつ頃からここにいるのですか?」
今の私: 「ずいぶん前からここにいます」
そのとき、私は屋根にシルバーシートを敷き詰めており、ベレー帽と黄茶系のチェック柄のシャツかセーターを着ていて、その上で野菜か花の苗を植えつけようとしている。過去の私は、さしずめ、道路からやや入り口を入ったところあたりから声をかけてくるはずだ。
過去の私と未来の私が出会ったとき、世界はどうなるのだろう。あるいは、その時点で世界はどうなっているのだろう。空は濃紺。まるで淡い大気の下にいるような感じだったが。

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