ジュセリーノ予言で未来史編纂を
2007年1月時点で8万8千件の予知情報が公開。そのうちの多くは過去のものとして過ぎ去ったことだろう。当たった確率は90%。それはもう神業であり、この予言の警告を素直に受けて対策を立てるなら、高い確率で功を奏するというわけである。
これほど膨大な数があるとするなら、また今後も同様のペースでなされるとなら、あくまでも「現時点における予定的事件」と断った上で、未来情報のみを総集した「未来史」が創り上がるかもしれない。そこには世界のあらゆる国の期待値的歴史が、予め与えられているといった具合になるだろう。
サッカー大会での優勝チームやその得点、著名人の異動、テロや汚職、国の政変、そして大地震や津波、噴火、台風などの天変地異まで、およそ顕著な歴史的事件が網羅される。
だが、問題はあるように思う。
人類は、一寸先の未来も予測できない生き物として従来は知られていた。そのことを以て、我々はフェアー性を力説もできたのである。だが、こうしたケースが出てくると・・いや古代にもこのようなことがあったのだが・・そのフェアープレー精神が崩れてくることにならないか。
すべての人に伝えられなくてはならないタイプの情報が中にはある。天変地異の情報だ。天気予報のように、この日は洗濯物を取り込んでおけとかの形で、被害を最小限にする指針が示せるからだ。
だが、ごく一部の者が独占すれば重宝になる情報も中にはある。その予知情報がフェアーな精神で用いられるべきなら、世界の万民に同時に通報されなくてはならない。
ところが、必ず隠蔽のフィルターがかけられ、知らせるべきを知らせず大被害を垂れ流ししている現実がある。そして、都合のいい情報は抜き取って、知った本人の利益にしたりする。
その辺がアンフェアーであると思うのだが、これも少数でも助かればというジュセリーノ氏の上位存在の意向ならばどうしようもないのだろうか。
ブッシュが911テロを事前に知っていた可能性について、いろいろ物議を醸しているが、国が超能力捜査官なども多用しているように、荒唐無稽な予言さえも重視し、いつでも入手しうる立場にあったとすれば、事件直後の彼のリアクションの不自然さも理解できないか。
そうした秘儀的な事前情報は、けっこう友好国にも伝えられていて、高官の事前予知的な退避行動に繋がっているケースも指摘されている。同高官の奇妙な行動が昨年のクリスマス前にも見られたことから、その時分の英国テロを予想していたサイトがあった。このサイト主は、これがもし起これば米英陰謀説をさらに強調したかもしれないが、実際には、英仏海峡でのテロは未然に防がれ、テロリストたちは逮捕されている。
とならば、逮捕劇も何らかのインサイダー情報があってのことだろうと推測できる。優秀な諜報活動の結果かもしれないし、もしかすると彼の予言が功を奏したかもしれない。その辺は不明の中に埋没し、この成果をもし氏が訴えたとしても、関係者は誰も反応しないだろう。
予知情報は、彼の意図からするに、未来の書き換えを目指している。タイムマシンでその時代に行って作用せずとも、同様の効果が得られる。しかし、このルールはどうなのか。決してアンフェアーな用いられ方をすべきではないことは当然だろう。戦争になる場合は、起こされる側と起こす側双方に同じ予知情報が与えられるべきだ。そうして初めて、予知が抑止力となる。だが、一方に偏ったものなら、受益者側はおそらく偏った使い方しかしないし、情報の出所を明かすこともないだろう。
だから神の下にあった予言は、いかに時期が切迫しているからといっても、人類を一寸先の見えない状態にルール付けしてきた経緯から、人類の全時間においてフェアーさが求められると思う。もうどうでも良くなったのか。それとも贔屓筋にはえこ贔屓されるのか。と訝られる。
いや、えこ贔屓なのだろう。
巨大金融資本は、わずかな利益の鞘を求めて群がるくらいだから、おそらく彼の予言をすべて入手して、予測資料化しているに違いない。また秘密結社はもっと高度な計画に使うことだろう。
いっぽう大衆は、やはりつんぼ桟敷に置かれたままで、逃げ惑う子羊のように、明日をも知れぬ身の上にぴりぴりしていなくてはならない。
この格差はいただけたものではない。
だから、提案としては、人為に依存するものは、あえて出さない。いっぽう、人為ではどうすることもできない天変地異や、著しく未来展望を悪くするテロや不慮の戦争勃発については、細大漏らさず出すといった形にはできないものか。某国の内乱の情報など出せば、いいことさえも封じられてしまうように思う。それとも神は想像どおり人類をいたぶる抑圧者ゆえ、やはり偏ったことをなさるか。ジュセ氏の上位の意向におかしな部分が多々あるように思うのは、拙者が細かすぎるからであろうか。