人生全体を通してわかったこと

人生全体を通してわかったこと、なんて書くと、何だよこりゃとなるでしょうけど、
何だか、名は体を顕す(奥の戸を推し開く)というかを、自分なりにやってしまったかなあという印象なのです。
すなわち、異界の探偵という、おカネにもならないことをつらつら続けてきて、今になれば、ほとんどの謎が解けてひとつのリング(環)になって落ち着いたというのが実感なのです。
だから、趣味のライフワークだったことになるのですね。実益にはなっていないので。
私がまだ中三の頃に神戸の二戸一長屋のうさぎ小屋にUFOに乗った英国紳士風の男たちと会談したことを、最近になって関東の友人がUFO系のなにか記事を書いていて、私のその話を聞いて、それはきっとMIB(メンインプラック)ではないかと言っておりました。それは宇宙人ではないと言うのです。
うん、それでも面白い推理ができまして、ではMIBとは何ぞやとなったときに、彼は独立した機関かなにかとしか思っていないのですが、私には背後に何があるか推理できる。
そのときから、私はああいったところと絡むことになっていたんだなあと、この人生の長きにわたっての関連樹が見つかったのでした。
前によく譬えに出したことがあるのですが、旅人が夜道に迷い、同じところを堂々巡りしているなと感づき、きっと狸に化かされていると得心が行けば、対処法がひとつあるという話です。
それは、狸は見えないが、脇の下あたりにいて、マインドコントロールしているので、何もない空間であっても、思いっきり拳骨を落としてやれば、ゴツンと手ごたえして、狸が逃げ去り、と同時に外界が一変して本当の場所になるという話でした。
そうなのです。人類のおそらくほとんどの人は、この手のマインドコントロール下にあって、本来は問題でもないものに、がむしゃらに向かっていると言いますか。そして、原因たる狸の姿を見ていないし、見ようともしていないのだなあ、というのが印象なのです。つまり、堂々巡りの旅人状態にあるのですね。
私のライフワークのすべては、この狸とその行為の謎解きに当てられていた感があるのです。
相手は狸ですから、妖術を使います。催眠術なんかお手のもの。しかし、術をかけられた当人はまったく気づかない。そして、自分ほど合理的なものの考え方をしている者はいないと思い込んでいたりする。それも化かされている結果なんですがね。
もしかすると私も化かされているのかも知れません。狸も自分たちのしたことの優秀さを誇りたいのでしょう。人間よりも優秀なんだぞと。そのために、私のような謎解き探偵をここまで誘導してきたのかもしれないのです。
お蔭で彼らの実績のすごさを見せられましたし、その代わりに、異界に関する多くの謎解きができ理解が深まりました。それらすべて、私の研究成果になることでしょう。化かされて見ている世界の裏側の世界のことですから、世の人とは語れそうにないので、内在する自分と語らい合うのですが、その自分も満足しているといったふうです。
冥土の土産は、狸の置物になるかも知れませんね。信楽焼きだったりして。

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