1月5日
おや、迷子のJコブさん ちょっと使わせていただき、小話を一席ぶたせていただきます。
地球放 浪21年目 Qリプトラベラー @cryptravelerジェイコブさんが自己紹介してくださっています。 お見知りおきを。
上空をつつつーっと雲がやってまいりました。 雲の上にぼこっと現れた白衣の威厳あるお方。
これこれ、迷子のジェイコブよ、神はそなたを見捨てはしないぞ
J: なんなんだ 神か 要らんぞそんなもん 俺は悪いことをしたくてしたくて仕方ないんだ
神: 仕方ない、お二方
へい 雲の中から二人の男が
地上に降りてまいりました。
J: なんだおめえたち 変な格好しやがって それって、ちょんまげか
平治: お前が迷子(lost child)か 神妙に縛につくんだ
常次: 迷子、御用だ
J: やかましいや 誰が迷子だ おお、これで見逃せ
チャリーン
常: 親分、い・一両小判ですぜ
平: そんなもの拾うな
収賄になってしまうだろ よしそうなら
平治親分は一文銭を手に取るとすかさず得意のサイドスロー。
チュイーン
J: うわあ、毛があ 後頭部まで禿げた
ひらりと一枚の木の葉がJの頭から離れ、地面に。 それと同時に、Jは狸になってしまいました。
常: 親分、これは
平: やはりな 十手持ちの勘だよ
老長けた狸は草むらに逃げてしまいました。
平: この辺に迷子のアジトがあるはず
常: 親分、これじゃないですか Ajito of Jと書いてあります
平: おおそれだ 太い幹の扉を開けてみてくれ
バサッ、ドドドド
常: うひゃー、なんだよ、木の葉がいっぱい詰まってやがんの
平: 500兆のカネの実態だ
常: なんか勿体無いなあ
平: おい常よ、なんか臭くねえか
常: 親分、屁こきませんでした?
平: 言ってる本人がこいたら、漫才になっちまうだろ ほらあれ見ろ
常: ええーっ!
なんということでしょう。 山道沿いにあまたの男女が着物を着たまま💩まみれになっておりました。
平: 山道沿いに野壷が
仕組んであったんだな 常よ、ちょっと話を聞いてみてくれ
常: 親分、いつもこういう役ばかりさせて
平: 俺だって下っ端のときは、こんなことばかりやってたよ 修行だ
常次、しぶしぶ最寄の男女数人に声を。
常: おいおい、あんたら何やってたの?
男: ああ、いったいどうなってしまったんだ
山海の珍味はどこにいった 料亭もない
常: おい、口に入れるのやめな それ、臭うだろ
男: これは何だ?
常: 自分で確かめろい くっせー
平: おい、常、もういいからこっちこい みなさん、山を下りてなるべく流れのゆるめの川で体を洗いな
人々はがやがや言いながら、下山を始めました。
常: 親分、何だったんですか?
平: これが俗に言う狸に化かされたというものだ
常: へえー、初めて見ました
平: 狸も年功を経ると催眠術を使うようになる やられた側は夢見心地になり、実体を取り違えるんだ
アジトを調べると、木の葉の部屋の先に祠のような祭壇があり、書画が掛かっておりました。
親分、これ
うむ また地球儀だ 迷子が世界を手に入れようと、ここで祈祷していたのかもしれんな
上は?
おお、これは 欧州の騎士人形が日本文化の象徴の上に陣取ってるってことは
そのとき上空から声がしました。
おーい、そろそろ帰還の時間だぞー
平: おう、カミサマの声だ
常: 帰りましょか
話が尻切れトンボのようでございますが、これぞ小話。 おなじみ江戸八百八町八の字長屋の銭型平治親分と岡っ引き常次の小話シリーズの第二幕でございました。 第一幕はこちら