うちの猫は、この月末あたりで満一歳になろうかという猫三兄弟のブー(オス黒)、フー(オス白)、ウー(メス白)と、最近生まれた赤子三匹(いずれも白)の6匹です。それぞれ、種類としてはボンベイ、アメリカンショートヘアー、同左(赤子も)といったところでしょうか。といっても、同母兄弟とのことですから、それぞれの特徴が遺伝的に顕れたものでしょう。
まだ幼猫の部類といっても、ウーはもう出産経験あり、フーがてて親(でしょう)。間に三匹の赤ん坊が今、半月目となっていて、元気に育っています。
ウーは誰に教えられずとも、赤子たちの育児をてきぱきとこなしています。夜間は涼しくなるので調子がいいみたいですが、昼間は暑いのと、人間の私がバタバタしているためか、落ち着けないでいるみたいです。特に暑いときの労働は、ウーに犬のように舌を出してハーハーと過呼吸するような、パニックのようなしぐさをさせるので、身体のマッサージをしたり、サプリを与えたりして、異変が持続しないようにしています。今いちばん種類を選ばずたくさん食べるのがウーで、赤子のお乳の用意の分だけがんばっているみたいです。かつてはあまり食べなくて、身体も小さく華奢にまとまっていたのですが、今はお腹がおっぱいの垂れと、身体自体が一回り大きくなっていて、頼もしい母猫の様子になっています。
たぶん、今までいちばん苦労しているのがウーでしょう。うちの家系は女がみな、あたかもカルマ落としでもするかのように苦労していますが、その流れを受けたようにウーも見受けられます。そりゃ、これらの猫たちは私の子であり孫であるからです。おじいちゃん(私)が、その辺はよく観察しています。
ウーは兄弟の中ではいちばんデリケートで、掃除機などモーター付の機械をかけたときは、キャーと騒いで、一目散に現場から逃げてしまいます。また甲高い大きな声ときてますから、ちょっとしたことでパニックになっているように見てしまうのです。実際、彼女はパニクってるわけですけど。
よって、赤子たちを育てている期間は、掃除機とは無縁で箒と塵取での対処です。しかし、ちょうど猫たちの抜け毛の時期と重なって、あたりには3,4cmの毛が舞い舞いしています。
彼らの幼少のときから、この近辺には他所猫がいて、縄張りしていました。だからこそ、うちの縁の下に段ボールの空箱を置いていたのをいいことに、お銀がお産をしたようなことです。私はその子のたまろを二日間、面倒見ようとして失敗。それから猫が無性にほしくなって今があります。
ウーは、外出中によく他所猫に襲われて、一目散に逃げ帰ることがしばしばでした。だから、他所猫を見たら、ウーッと声を立てて怒っています。決して他所猫に慣れることはないと思っていましたが、例の他所猫の石松グループにはちょっとずつ許しを与えているようです。かつては石松に木の上まで追いかけられ、追い詰められてパニックになったこともありました。そりゃ、小さかったですから。幼猫と分かっていても、容赦なく追いまくるんですから。そのたびに、石松も三毛も叩きのめしてやろうと、私も夜も飛び起きて見回ってましたから。
しかし、一栄一落是春秋。A家からエサが出なくなったことから、うちに食を請わねばならなくなって、もう3ヶ月になりますか。初めは、怖がって家の中から威嚇していたウーも、外へ出て無関心を装いながらも森を散策しているうちに、同情心も沸いてきているようだと感じ取っているような次第です。
問題は銀猫のお銀です。ウーが出産する二日前に、うちの縁の下でくつろいでいたウーを激しく襲って、あたりにはウーの毛が散乱し破水させられるという危機があったのです。左脚に鋭い斬られたような痕がついていて、容赦なく爪でやられたことが推測できました。お銀はもうベテラン猫です。どんな爪をしているかもおよそ分かります。猫同士は喧嘩しても致命傷を負わせることはないという話は、真っ赤な嘘です。殺意ははっきり持っています。それゆえに私も鎌や長刀まで用意して、戦の体制をとっているようなことです。
ま、お銀も私にたまろを奪われたとでも思ってるんですかな。たまろの兄弟はあと二匹いたはず。が、おそらくその一匹は早いうちに死んだのでしょう。一匹はお銀と共に行動しているのを見ましたし、単独であちこち移動しているのも何度も見ています。そうそう、一回だけですが、うちの家の室内に入り込んでいて、うちのブーがいつのまにか二匹いると錯覚したこともありましたっけ。家の中に置いていたエサを食べに来ていたようです。
が、その黒猫も見なくなり、もう二、三ヶ月ほどになりますか。いかに野生にあって生きながらえることが難しいか、感じさせられてしまいます。
お銀も淋しくて、八つ当たりしてきたのかも知れませんね。
いやー、もし彼らがはじめから逃げたりせず帰順していたなら、彼らを今のうちの猫の代わりに飼っていたことでしょう。A家の飼っている由緒ある猫たちと思っていましたし、なつかないのではどうしようもなかった次第です。ただ、残飯は公共(秋田犬の野良もいたし、鹿、いのしし、狸などもいましたから)のためにと、容れものに入れて時折出していたので、他所猫たちも来ていたのです。とくに当時食べに来ていた三毛猫は、石松の倍以上に大きかったのに、今見れば石松ほどに小さくなってしまってますね。それとも別猫なんだろうか。
どこから脱線したやら。とにかくウーは立派な母猫を務めています。昼夜を問わず、二時間おきほどに赤子たちの排便と給餌をさせています。さすがにベランダに出てくつろぐときには、ブロックの上にベタッとうつ伏せでへたっております。それを見ると、マッサージでもしてやりたい気になるのは、おじいちゃんになったからでありましょうか。
さて、赤子三匹の名前がまだ決まっておりません。ブーフーウーはこのサイトに入魂にしてくださっている方が名づけてくださったので、簡単に即決したのですが、今度もまた名づけるのに一苦労しています。私にはこうしたときの発想がないのです。どなたか、この三匹にそれぞれ関連性ある名前をつけてやってもらえないでしょうか。
なお、オスメスの区別はどうも判然としなくて、何度見ても私には分かりません。それゆえ、オスメスに関係なく語呂のいい呼びやすい名前をつけてやってほしいのです。