弱小かつ病態なるものでも、夢見の世界においては広大活発な経験をするものである。
それは知られざる世界における栄光であり、いかなる立場にあるかを垣間見せてくれているような気がする。(僭越やなあ。でも明日をも知れん病人やで許してなー)
本日、2007年1月14日未明、午前四時台の夢である。
私は小さな四角形をした家の二階のまん中に居て、北と南の開放された窓から、うろこ雲漂う昼間の明るい空を眺望できる状態にあった。
南の空を見ていると、どこからか降りてきた雲が長くたなびき、消えることなく、我が家の上空を反時計回りに旋回し始めた。
見れば、龍のようであった。雲によってできた龍。雲竜とでも言うのか。一周目のときはまだそうとは気付かなかったが、二周目となって、これは龍だと気付いた。
我が家の北側に回ったとき、それはありありと馬のような面構えをしており、夕日を浴びたか心なし赤みがかり、後ろが長く流れて、ところどころうろこ雲のように切れつつも、尻尾らしく従っているのを見た。雲が龍の形を形成して飛んでいるのだ。
方向を変え、南側に回ろうとしたとき、私には龍の顔が正対して見えた。眼光もありなかなかの面構えだが、どこか優しい感じがする。
屋根の上すれすれに南に回ろうとして、尻尾が屋根に触れた瞬間に、じゅぼっと水がかかったような音がした。どんどん接近してきている。もしかして、私を探しているのか?
龍はまた南から北上を開始。再び北面から南を窺おうとして正対する格好となったとき、もう龍は目標を捉えたらしく、北面の窓めがけて飛んできていた。
そして、閉められた窓をひげでぴょこっと開けると、もろに部屋に入ってきて、私の身体めがけて飛び込んだのだ。
うわーっ!! 私の中に入っちゃったよ。合体したようだ。
この光景は近所の人も見たようで、家の中に入ってきたおばさんや少年らが、私のほうをすごいといった表情で見つめている。そこで私は拳法のように腕をぐるっと回して英雄ウルトラマンのポーズをとった。どんなものだと。そのとたん、夢から醒めたのだった。何だ。夢だったか。
久しぶりに見た夢。腕の痛みや不整脈でさほど眠れたものではなかったときに、ようやく見た正月らしい夢だった。
もしや奇跡が起きているかもしれないと、腕の痛みや心臓の不調が治っているかどうか調べてみた。だが、そうは問屋が卸さなかった。
雲でできた龍。色からすれば白龍というのか。
ネバーエンディングストーリーに出てくるような。
千と千尋の神隠しのハクみたいな。
どうかいい年になりますよう。