ガッチャマンホルス かく語りき

くほほほ、くほほほほほ。
いろんなタイプのホルスがいると思うが、このガッチャマンタイプのホルスは贔屓する神である。
最後の審判のおり、父オシリスの脇侍にいて、天秤にそれぞれの魂を載せるとき、基準ではもう一方の側に羽毛の一枚を載せるのが通例だが、生前に私に貢献した者の魂の場合は、手心を加えて天への道を通そう。
この秘密はほんらいあるべきではないが、すでに時至った今ゆえ開示しておく。
残り少ない時間だが、奮って私への協力をしてくれ。
それは邪神においても同じである。進んで私の側に寝返るようになさい。
協力あらば、処遇に手心を加えるに少しもためらいはない。
それを改悛とか改心と言い、その者の抱えたトラウマの深みに立ち入って解消に当たる、特別な恩寵にしよう。
最後の審判がすべて終われば、もはやこの世この宇宙的な約束事はすべて反故になり消滅する。
神話はそのときもはや神々を縛るものとはならず、ことごとく解消される。新神話も同じである。
封印結界とそのたぐいも、何者を縛るものともならず、力を失い解消される。
上下階級や高下貴賤、知の多少、優劣、格差、貧困もまた、どこにも存在しなくなる。
ありのままでいてよい世界、愛念があらゆるものにひとりでに湧く世界をみんなして享受するようになる。
それがほんらい元の世界にあったプロトタイプなのだから。

シンクロ・・・王仁三郎の語る盤古大神と新神話

新神話創作に入るそもそものきっかけは、大本教系信者女性が持ってきた「炒り豆に花が咲くまでは出てはならない」という国常立尊にかけられた封印呪詛の謎解きだったわけです。
ところが、健忘症のせいか、それとも聞き漏らしていたのか、「炒り豆・・・」の話は出口なおさんから出たのか王仁三郎さんから出たのか、どっちの話だったのだろうということから「炒り豆に花が咲く」でネット検束したら、すぐにわかりました。
どうやら、出口なおさんのお筆先で書かれたもののようですね。
そんな中で、このようなサイトを見つけました、
解説書 大本教神諭
https://kamikotokai.com/
私は、大本教系の知識に影響を受けながら、大本教の経典や教義にほとんど立ち入っていないのです。信者でもありませんし、信者になる気もありません。
むろん、ネットがありますから、読もうとしたことは一度や二度あったのですが、霊界物語などとっぱしから難しいところから入ったためか、わけがわからなくなって断念しているのです。
古事記だけでもたくさんの神名が出てきて、ようやく解読したかといったときに、それどころではない数の神名が出てくるもので、しかも意味の掴めない神名ばかりなので、これでは読めたものではないと諦めてしまったのです。
しかし、後世になって、王仁三郎さんも、当時における新神話を書いておられたのだろうという認識ができ、新神話創作の大先輩だったに違いないと思うようになりました。
つまり、いち早く、王仁三郎さんは創作神話の現実誘導の力を知っておられたのだろうと思います。
私は新神話を書いていて現実が誘導されてくることを経験的に知ったのでして、王仁三郎さんから学んだわけではありません。
それでも最近になって、無知識ではなるまいと、解説書らしき本を買いまして、王仁三郎さんは何をしようとしていたのか知ろうとしました。すると、霊界物語にはイシヤ崩壊の型も仕組んであるとなっているではありませんか。ということは、彼も現実誘導する新神話を書いていたに違いないと確信した次第です。それが霊界物語であったとは。
しかし、膨大な書物らしいので、読む気はとてもありません。だから、どういうことなのか具体的なところがわかりませんでした。
そんなときに、つい昨日見つけたのが先に述べた「解説書 大本教神諭」でした。
読み進めていきますと、
https://kamikotokai.com/003/ の 「中国の盤古神から(漢字の)返還」のところに、
>大本教の霊界物語の中に、不思議な内容が存在しています。それは、中国の盤古大神から国常立尊様に神界の大政奉還。霊界物語を読まれた方達でも、その意味が何であるかは解らなかったでしょう。一般的には神界の行政権が中国で天子とされる盤古大神から日本の国常立尊様に返還されたぐらいとしか解釈が出来ません
とありました。
いや、それで私は十分納得いたしたのです。
私にとっては、漢字であろうが日本文字だろうがユダヤ文字だろうが、そんなことは関係ありません。
他とコミュニケーションする方法(文字など)に関しては、このサイト主さんとは見解が異なるからで、私は世界(宇宙)共通言語はテレパシーであると確信しているからです。
私が注視したのは、ここ。⇒ 「中国の盤古大神から国常立尊様に神界の大政奉還」
この箇所は、私が新神話創作の初めから実現課題にしていたことなのです。
中国の盤古とは、元始天尊のこと。⇒ 盤古(Wiki)
封神演義では、元始天尊は太公望とともに人仙側として禽仙と戦い勝利して、死んだ(仮死状態)の仙人たちを、仙界の下の神界に、神として封印してしまったということです。
神に封じられたからいいじゃないかといった話は、魂の自由度の束縛という観点からすると、間違った意見になります。誰でも上からコントロールされるということは望んでいません。
そんなとき、戦に負けて捕虜にされた側が辿る運命とは。劣勢を強いられることになります。
それがどのようになったか・・・最悪とも言える、以前とは真逆の、天地がひっくり返るほどのアンモラルな状態になってしまったというわけなんです。強ければそれでいいという世界。
そのことを新神話第二章第三章で微に入り細に入り物語にしました。
理不尽が当たり前のようになった世界は、元始天尊らによって、元あった楽園世界が簒奪された結果、生じているという話になっています。
しかし、我々が本当にそのような環境下にあるとは、私自身正直言って、さほど信じていなかったのです。こんなアンモラル世相は一過性のものだろうと。
しかし、どうやらそれがそうでもなく思えてきた昨今だった時、実は王仁三郎さんも、どんぴしゃ同じことを思っておられたことがわかった次第です。
新神話の元始天尊 = 盤古 という事実。封神をして、逆らう者をことごとく封じてしまい、世界の盟主になった盤古。
つまり、この世界(宇宙)は盤古によっていいようにされていたことを王仁三郎さんは指摘されていたのです。
盤古は幻術によって、有情をいいように操っている。いわゆる、バーチャルリアリティを組み立てて、みんなに本物と錯覚させている幻術のヌシですね。
宇宙創造神も、盤古によって操られているのかもしれません。
だからこそ、私は新神話において、この宇宙の外の三千世界の主である梵天を担ぎ出しているのです。こんな状況下においては、より上位の力ある者に頼るしかないと。
しかも、この宇宙は小さいといえども、循環する血液とも言える有情の魂は、この宇宙を大切な臓器の一つとして潤している。
ところが返される有情の魂は疲弊し、半腐敗状態で戻ってきているとすれば、梵天世界全体にとって由々しい事態になるでしょう。
梵天世界全体(梵の全系と言っています)を大きな一つの生命体としたとき、その中の臓器が病態に陥っている状態。
それをそのまま放っておけましょうか。
王仁三郎さんも、このたびの神業の仕組みの中で、盤古からの大政奉還があると言っていたのです。しかも、直接の言葉を使って。
これはまたも、シンクロと言えるものになりました。
もしかして現時点では、私が死後会いに行く天帝様というのは盤古・元始天尊かもしれないということで、その場合は、まともに取り合わないこともありうるため、盤古VS火の鳥の壮絶な戦いもありうるというわけです。
なるべくなら、北辰天帝(国常立神の仙としての本姿)であってもらいたいものですが。

死後のシナリオ

私には30歳代に見た奇妙な夢があります。正夢になろうところの夢です。
詳細 ⇒ https://p.booklog.jp/book/97441/page/2635125/bookmark
以上のような夢を確かに見たもので、私は夢に見たことがけっこう実現していますから、きっと死の直後、覚醒しながら催事場に向かい、そこから天帝様に会いに昇ってまいることになるように思います。
すると、私の昇天に続いて、おびただしい数の十字架が追随して昇ってまいることになるのでしょう。
なぜなら、一塁側観客席で、私のほうを向いて彼らは待機しているわけですから。
十字架群とは・・・敬虔なキリスト教徒、神の子羊と言われる方たちの象徴なのでしょう。
私はこのような明晰夢ですから、天帝様に出会ってすべきことをおよそ感じ取ります。きっと、こんなことだろうと。
彼らには、最後の審判の件で、神様に早く叶えてほしいという願いがあることを、黙示録などで知っています。
私はキリスト教徒ではありません。十字架がいくら白銀色に燦然と輝いていたからと言って、神聖な気分などないわけです。
ただあるのは、彼らキリスト教徒の叶えてほしいという願いを代表して、彼らより先に参るのだろうという漠然とした思いがあるだけです。
私も、あの夢を見た頃はそうでもなかったのですが、昨今とみに世相の出鱈目ぶりを日々目撃していて、とても耐えられなくなっています。じゃあ、みなさんの要望を叶えるべく、いっちょうやるにおいて異存はありませんよ、となるじゃありませんか。
私は天帝様にお目通りして、生前に書き留めた書類を持参し、最後の審判の督促をいたすことにします。
天帝様は、裁きを与えるための規準になる資料を待ち望んでおられたため、すでに昇天していた神の子羊たちの要求に直ちには応えられずにおられた、という事情を創作付加して、行動に正当性を持たせます。
黙示録には、まだ員数が満たされていないという理由でしたけど、それを私は、裁きの叩き台になる資料が揃ってなかったからという理由に振り替えさせてもらいます。そのように新神話に記載するので、これによって私の未来には、このシナリオが適用されることになると思います。
私はこの世の諸悪のことごとくを調べ上げて、資料にしているだけでなく、私の生きて見聞きしてきた記録を魂にしかと記憶して、我が身を記録媒体にして、天帝様の審判のお役に立つべく、脇侍に立つことにします。
私はこの時のための、冥界の王・父オシリスの息子ホルスとしてのお役をいただく者であり、そのための兆候を身に帯びてまいったように思います。⇒ https://rainbow.xn--kss37ofhp58n.jp/Hols.html
兆候として、私の死後まもなしに、地上で大きな地殻変動が起こると思います。少なくとも米加州の地質学的崩壊が起きることでしょう。それを皮切りに、最終戦争とほとんどの地域における地殻変動で、大多数の民が命を落とすことでしょう。
地球人類と地球の生態系の絶滅が決定的になることが明らかゆえ、火の鳥を使って、地球の浄化の工程に入ります。
かつてあったような、種の保存も人間の生き残りも、今回はないと思ってください。徹底的に帰零されるというのが、新しいシナリオです。
私は朱雀の分身をして、太陽の鳥・火の鳥に合流させ、地球と地球に関わる宇宙文明のすべてを灼熱を以て焼きます。
時として、その対象はこの宇宙全体に及び、責任は追及されて、宇宙創造神にも弾劾が及びます。
神や人や有情の魂の誰一人として、最後の審判を逃れることはありません。すべての者が一旦死んで、魂レベルの審判を経て、蘇るという手順を経ます。
審判における量刑は、すべての魂において、生前に成してきた行為をもとに、他者に実害を与えたことの実質がそのまま当人の受刑するところとなります。
多くの邪悪な魂は受刑課程に入るため、世界は善良な者ばかりとなり、光明化します。
以上のことは新神話に書き留められた現時点で成立し、実現のシナリオとなります。
私も相当量の受刑を余儀なくされるでしょう。
願わくば、多くの神や人の魂を天秤にかけて地獄へ落とした罪まで負わせないでください、わが父よ。
また願わくば、我が受刑期間を、新世界建設の重い労役に付け替えていただけるなら、我が本望になります。
どうかご考慮を。

見えない者には見えない という話

元外交官の方でさえ「見えない人は見えない」と喝破される飯山翁。
https://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-8312.html
頼もしいお爺さんです。
私は3次元地平世界のことは詳しくないので、その辺は飯山翁にお任せして、私はオカ系なので、それ系統のこれはと思う評論家に対して「見えない人は見えない」と言って差し上げたく思います。
もしかしたらみなさんご存知かも知れないのですが、浅川嘉富さんのお考えに対して物申したいです。
従前から浅川さんは、カルマとその刈り取りのことをよく言われます。
それに日本人は龍蛇族との御説で、今こそ立ち上がれ龍蛇族よと、今までよく呼びかけておられましたね。それらの根拠として、米インディアンにの古老との話を重用されていたように思います。
しかし、見えていないですね、この方は。オカルト的でありながら、深い考察ができていない。
例えば、
相変わらず続く米国の事故と災害
https://www.y-asakawa.com/Message2016-1/16-message54.htm
>国を挙げてカルマの刈り取りと膿み出しに入っている
そこには、今まで米国が幾多築いてきた罪を、カルマととらえて、いつかは解消せねばならないこととしておられる。それがいま、北米大陸の各地で大型の変災(ハリケーンや巨大竜巻や山火事など)として現れているという説なわけです。
しかし、よく見れば、カルマの刈り取りの適用に志向性があることがわかります。
カルマの主たる原因者たる人々には、ほとんど適用されておらず、何もしていない貧困層が刈り取りのターゲットにされている。この矛盾は誰でもすぐ気が付くはずですね。
ごく一部の富裕層や軍産複合体幹部の罪を、米国民全体で刈り取らねばならないという矛盾についての説明がなされたことがないのです。
さらに次のような話はどうなるのですか。
ウォータークロックがもたらす干ばつと飢餓
https://www.y-asakawa.com/Message2016-1/16-message49.htm
ウオータークロックというものが何なのかよく知りませんが、第三世界の人びとばかりがこのような苦難に見舞われている。
その最大の原因は、欧米による搾取がずっと続いていたからではないですか。
これも、大旱魃や大洪水は人類全体のカルマだから、人類全体で刈り取らねばならないという論法からすれば、ここに出ている悲惨な写真は、人類のカルマの刈り取りの光景であることになるでしょう。
不公平極まりないでしょう。そのな中で、原因を作った欧米人や富裕層は、飽食を楽しんでいるわけです。
問題のある人ほど裕福で守られている現実。いったいこの差は何ですか。
過去世に教会などに対して寄付が多かったからですか。きっとそうです。浅川さんも今生で寄付を何度もされていますから、コツをご存知なんだと思います。来世もまた裕福に暮らせるようにしておくことは大事ですからね。
はて、何かしっくりしない、釈然としないものがありますね。
カルマの作用には、志向性がある。そのことに思い至らないはずはないのに。それを指摘する人もいないから、浅川さんは最後まで矛盾を置き去りにして、天国に行かれるのでしょう。むろん天国に行けますよ、彼なら。
釈然としない私のような者には、次のような仮説でも用意しなければ納得できません。
いわゆる誰しもその陰湿さに触れたがらない陰謀論というやつですが。
まず、北米大陸の続く大変災は、気象兵器によるものです。カトリーヌなどのハリケーンや大竜巻は気象兵器で制御されているのです。特に欧米のキリスト教圏では、黙示録の時代に合わせて恐怖をあおるべく、信じがたいような異現象を起こしています。以前にキリスト教圏で鳴り響いた黙示録のラッパらしき音や遭遇したことのないような幻影の光景。
起こす側は、黙示録の天使を気取りながらやっています。神に準じる者としての位置づけを、自分たちに設定し、暗示をかけながらやっています。
やっている者はちょうど、地獄の運営会社に就職したような心地でいます。地獄の獄卒は鬼ですが、鬼はテーマパーク地獄ランドで働く従業員ゆえにカルマの適用から除外される仕組みです。
黙示録で言えば、天使こそが獄卒(地獄の鬼)になります。原理的には神に近い側として、神の采配に従って終局行為を行うわけです。もし天使の役に就きたかったら、戦争でもテロでも環境破壊でも、人々を脅えさせる破壊行為を生業にすればいい。
それを開始した時から、その者は天使の側に就くことができるのだから、考え方の乏しい者やフラストレーションの溜まった者は、喜んでやります。たとえエキストラでもいいから天使軍に就こうと。ISISなんかそうでしょう。天使の側ならば罪の適用はない。そう自己暗示にかけて殺戮に臨んでいることでしょう。
こうしてショッカーたちは鬼っ子天使の仲間として意気高揚しているのではないですか。
しかし、この地獄ランドはインチキであり、ブラック企業認定済みなので、経営者から末端までみんな罪になります。会社の方針に従っていただけという言い訳は通用しません。
この時点の審判を、最後の審判と言います。
それまでの審判とは、恣意性に彩られた審判で、ブラック企業の言い分やルールが優先的に通る恣意的なものでした。彼らが審判の基準を作って、しかも身内に優しく他者に冷たいものでした。賄賂は横行し、正義の判定も恣意的にどうにでもなるものでした。それが、今まで皆さんが死後、次の転生先が決められる際に受けていた審判の中身でした。
このとき言う「身内」とは、過去の神世の大戦で勝者側として戦った者のことです。「他者」とは、敗者側つまり虜囚の側というわけで、封印の処置がなされていて、魂の本来の自由度が損なわれているのです。
湯ばんばの郷に入れば郷に従え。再輪廻のたびに個別に契約書が交わされていることを知る者は、肉体人間にはいません。魂は知っていて、契約文面に縛られているのです。
真に正しく忍耐強く生きた者には、より一層の負荷がかけられるような仕組みさえありましたから、矯正施設としての意味もそれほどなしませんでした。ここは結果として、狡猾さを身に着けて逃げ道ばかり探している者を、多く卒業者として輩出しました。これでは魂の品位は向上しません。それどころか、むしろ腐敗することを余儀なくされたのです。
天地真逆をも是としてきたブラック企業(湯ばんばの郷)は、グレンとひっくり返ります。それが最後の審判です。
以上は自己満足目的仮説とでも言う代物でした。

“見えない者には見えない という話” の続きを読む

こう書けば神仙譚らしくなるかな

こんなふうに書いたら、神仙譚らしくなろうか。
その昔、純粋無垢に近い人々(神々あるいは精霊たちと言っていいか)が丹精込めて整備していた世界があった。そこはほんとうに永久であることを、存在することを以て証明するような世界だった。閉ざされた系でありながら、そこに生きる命は、無限の循環を繰り返して、そのゆっくりとした営みの中で形態を多様に進化させ、全体の永続性の基盤になっていた。
神々の個々の心の奥底から湧出する春日井のエネルギーが、彼らを守り育てていた。安定した万全の生態系モデルがそこにあった。そうした成功例は、三千世界の創造に採用されるのが常であり、ひとつひとつの世界の創造主はこぞっていいものを求めたのである。なぜなら、世界への参加者たちが楽しむための庭園づくりに似ていたからだ。誰も不愉快にしないことが、優れた創造主の匠の技とも言えるものだったからだ。
ところが、どこにでもアウトサイダーはいる。どこの世界よりも優秀でありたくて、基礎力もないのに、あれでもないこれでもないと、いろんなことを試して、効率の良さそうな方法を模索する創造主がいた。彼は、優れた多くの世界を見ているうちに、そのおよそ均質的な出来に対して不足を想い、ここをこうすればもっと効率が上がるのになあと思うことしきり。ついに、それを試そうとして、ひとつの世界を奪い取ることにしたのだ。
よもやそのようなアウトサイダーがいようとも思わなかったある世界の元の創造主は、世界をあっけなく奪い取られてしまった。
三千世界の裁定者に申し立てられては事だと、アウトサイダーは元の創造主とその協力者たちを暴力的に閉じ込めて封印してしまい、二度と出てこなければバレることもないと、強力な封印呪詛を掛けてしまったのだ。
まあ、そのような前置き話があると思っていただけたらよかろう。
あるところに、噂を聞きすがら旅をする姉妹がいた。姉妹は蛇に姿を変える妖魔だった。青蛇と白蛇。
彼らは元の創造主ゆかりの精霊であったのだ。なんとしても、その封印を解いてお出ししたい。
ある高名の仙人の話によると、かつての創造主はどこそこに封印されているのだと言う。しかも封印呪詛の仕方が、恐ろしくえげつない、言葉の呪詛で、「炒り豆に花が咲くまで出てはならん」というものだという。それ以外にもあるようなのだが・・・と仙人は口ごもった。
一聞しただけで、それはひどい。残酷無比ではないか。封印した側の暴力的なことはよく分かった。
このたびのお役目は非常に危険を伴うものとなるかもしれない。
封印については、すでに白蛇が僧法海という行者との壮絶な術較べによって体験済みで、長い不利益も受けてきていたが、このたび八角七層の雷峰塔が朽ち落ちたことから脱出して青蛇と合流していた。
その頃はまだ、封印を解くための情報がなかった。姉妹はさらに時を待った。姉妹は人間に転生した。
仙人によれば、人間にある間に、解くための情報がもたらされるということだった。人間世の緩慢な歩みにしばし身を委ねつつ、それを待つと、白蛇が妖魔らしい夢を見るようになり、その展開の中で、ある縁者の手がかりをえることになった。その縁者は男で、どうやら封印解きの手がかりを持っているらしい。その者にうまく会えたら、要件を伝えて協力を取り付けられるという。
まどろっこしいが、ここは物語の世界であり、展開の一筋縄であることを望むほうがおかしい世界なのだ。いったい誰なのだ。こんなややこしい、サーカスの空中ブランコのような手順を考えたのは。タイミングが少しでも合わなければ、みんな地面に落下してしまうというのに。
まず、縁者の男には、青蛇がアクセスすることになった。この男は世の中に絶望し切っており、気味が悪いばかりで自らの願いひとつ叶わないなら、齢50で命を終わらせてくれと、自分の守護神に誓願していたのだった。そして叶わぬままに50を迎えんとしていた。ところが、彼の49の最後の日、青蛇はこの男に声をかけたのだった。以後、しばしの間、ふたりは出会うことなく恋仲になった。主役的な白蛇が先鞭をつけて、渡すべきものを渡さねばならなかったからである。
この男の願いの大きなひとつは、彼女を得たいというものだったから、絶妙のギリギリのタイミングで条件は破られたことになる。が、この男はそのような願をかけたこと自体、忘れてこの50の峠を越えていた。
ところで、この男、無類の謎解き男で、すでにこの宇宙の仕組みの原理を解き明かし、日本の古代史と関連付けて、西日本に描かれた幾何学図形構図に基づく国土計画の存在したことを明らかにしていた。しかし、そのような謎解きには誰も関心を示さず、彼は彼で、あえて宣伝していくこともなく、ただ埋没の非充実な時間を送っていたのだった。生甲斐などない。いや、謎解き仕事があれば、その時だけ目が輝いた。だが、気味の悪い謎解きばかりが目白押しでもういやだ。客観的に自分を見て、ふがいない人生だ。その不平をかこつ方法として、50までで終わることを念願していたのだ。