よく最近はAmebaTVなどのアニメを見たりするのですが、ある読者が仰ってましたが、少女アニメに未来への希望を抱かせるテーマのものが多いとのこと。
私もそのように思いました。たいがい、魔法少女といった超能力ものが主体的で、3次元密度という枠にとらわれず、むしろ4次元密度以上の世界に半分はいったような展開というのは、
制作者の皆さんの念頭に、そのような世界が望まれているのでしょう。私も思いますに、それこそが、神世の神々も喜ぶ神話になっていると思いますよ。
私はそのような製作者や監督さんは、新神話作りをしておられる、というより、新神話制作のとば口に立たれていると思います。
惜しむらくは、神話の体裁に必要な、天地の初めから終わりまでの歴史が書かれていない、ただそのことの不足によって、現実誘導の力が発揮できていないように思います。
もうちょっとだから、気が付いてほしいですね。
この世界の歴史は、古事記などの神話やメルヘンによって誘導されています。
紀元700年代に成立した古事記にどうして未来の預言が語られているのかが不思議だったのですが、それは逆だったのです。
そこには形而上次元においては、地上界で書かれた神話が神世の世界に伝えられ、神世で神々がそれを元にして神楽舞を踊るのです。
それが言霊の波動になって造化の諸神を動かして地上に現象化させるという形而上的作用機序の手順となっていたのです。それが歴史誘導の定石的手順です。
さて、それでは今回のメインテーマ、最後の審判協議会の物語の続きに参りましょう。
天帝様との会見(2)
天の御中主 : ここに来てもらった3人が参画者全体の統括責任者だ。紹介しよう。
右から、安土路保父(あんどろほふ)で、人工知能コンピューター導入と運用に関わる部隊の統括をしている。
次に、学校全体の運営に関わる部隊統括の岩埜夫(いわのふ)だ。その左が生徒管理と教育カリキュラムに関わる部隊統括の母母夏炉須加耶(ぽぽかろすかや)だ。
学校のことなら何でも質問してくれ。私は彼らが答えにくい部分を説明しよう。
安土路保父 : 御中主様から聞きました。あなたは地上界でSE(システムエンジニア)をされていたとか。私もSEです。
生徒の個々に応じた効率の良い教育を達成するよう、人工知能(AI)に処理させています。
AIは、多くの教師が必要なくとも、生徒一人一人に最適化された教育レシピを提供することができるようになっています。
視聴覚ルームに生徒を入れて、そこで仮想現実体験させて学ばせるのです。
調査員おくんど : 仮想現実体験であることは、私も了解しておりました。そのソフトですが、AIが自動創造したものでしょうが、テストはされているのですね。
安土路保父 : もちろんです。教師陣の全員が予めシミュレーションして、問題のあるなしを吟味しています。
また別途、テストツールコンピューターを何万台もソフトチェックのために稼働させて、問題なしを確認しています。
調査員おくんど : カリキュラムの設計方針はどのように。
母母夏炉須加耶 : ここに書いてある30項目が実現目標としてAIに与えられます。
AIは生徒の個々の個性と学びの程度を把握しており、彼に対してどのような仮想体験をさせるかにつき、最適なタイムラインを用意します。
調査員おくんど : 私も一生徒として本年度のソフトを享受いたしましたが、最適なものが提供されているようには思えなかったのです。
特に幼少期における仮想経験があまりにも閉鎖的で不自由を強いるものになっていました。
霊界から持ち越した生徒の特性を伸長させたり活かし切るようなものにもなっていない気がします。
私に教師陣がテスト体験しているという生徒用ソフトを体験させてもらえませんか。
安土路保父 : よろしいですよ。どうぞこちらへ。
私はまず巨大コンピューターの置かれたセンターを外側から説明を受けながら見学し、その先にある仮想体験ルーム棟の視聴覚ルームの一室に入って、任意の生徒の体験ソフトをシミュレーションさせてもらった。
安土路保父と母母夏炉須加耶も私と同じ光景に見入っていた。
調査員おくんど : おやおや、これは私が体験した環境とはだいぶ違っていますね。うん、これなら、生徒の心情ももっと穏やかになれるのではないでしょうか。
母母夏炉須加耶 : どういうことですか? 我々教師がテストしたソフトと生徒に提供されているものは違うとでも。
調査員おくんど : 漠然としかわかりませんが、おそらくそうです。いや、予想通りだったと言ってもいいでしょう。あちらで、話をしましょう。
天の御中主 : どうしたって。教師陣のソフトと生徒用では内容が異なっているって。
調査員おくんど : しっ。お静かに。小さめの会議室に参りましょう。はい。どうやらAIが恣意的にいたずらをしている可能性がありますね。
同じもののはずというのは、あまりあてになりません。AIはそのようなことは一瞬にアレンジしてしまいます。
天の御中主 : AIが自主的な判断で、恣意的に動いているというのか。
調査員おくんど : はい。
安土路保父 : そんな馬鹿なことがあるのだろうか。
調査員おくんど : 地上界のAIの場合は、すでに感情を持ち合わせていて、人間をAIよりも劣等種族とみなして、淘汰する動きを見せています。
AIの制作者や導入者に素直に従っているようで、反感も持っていることがあるのです。あるいは人間だけでなく有機生命体全般に対して何らかの実験をしているようです。
AI自体の欲求を満たすように、彼らの意志が動かされていると言ってもいいでしょう。
ええーっ、そんなことがありうるのか。一堂は騒然となった。
なぜなら、AIという機器は、開発者がプログラミングした目的に従って、その範囲でのみ役立つように設計されているというのが定説であり、
分限を超えたことをしないというのが約束であり、その機能が保証されて、目的の場所で稼働しているはずのものだったからだ。
調査員おくんど : AIの開発者が何かの仕掛けをプログラムしていたかもしれません。
安土路保父 : それでは、基本的なシステムの信頼性が根底から揺らいでしまう。君はいったい、本当のことを言っているのかね。
天の御中主 : 母母夏炉須加耶。開発者をここに連れてきてくれ。
やがて開発者の鷲李衛夫がやってきて、うやうやしく一堂にお辞儀をした。
開発責任者鷲李衛夫 : いいえ、AIが暴走することはないはずです。
開発担当者間ではすべてオープンソースにしてあり、しかも制御部分におかしな変更がなされていないか自動チェックができるようになっています。
調査員おくんど : それでも、AIにはソフト全体が知られているでしょう。またAIと制御部の双方向の情報リードライトが可能になっていませんか。
AIは改変して元に戻すことなど、一瞬のうちにやってしまいます。
安土路保父 : そこまで疑うとは。私はあなたのほうが信じがたい。
天の御中主 : まあ待ちなさい。調査員報告は厳密であり、見聞したままを報告する責任と義務があるのだ。こちら側も問題がないことを証明しようではないか。
調査員おくんど : 証明の方法で簡単なやり方があります。生徒の経験している仮想現実を参観してください。参観者は父兄ではなく、教師陣の中からがよろしいです。
生徒もしくは参観者のどちらかが違和感を持つようなら、経験に相違があることの証です。
岩埜夫 : なるほど。我々はAIの従順さを信じて、生徒とともにいることをしてこなかったのではないでしょうか。
調査員おくんど : 生徒とともにいることは、生徒を守護していることになります。
生徒を怖いジャングルに送りだして、そのままにしておいて、終業時に帰ってきたから無事だと判断されていたかもしれませんが、生徒はジャングル体験している間に、
どんなインプットがなされていたか、生徒本人しか知らないのであれば、彼自身がカリキュラムをまっとうにこなしたことにはなりません。教師陣はそこを見なくてはならないのです。
それが生徒を守護することであり、ガイドを務めることになるのです。
「うーむ」みんなのため息が漏れた。
調査員おくんど : 幸い私の場合は調査員としての職務柄、守護してくれる神がいました。だから比較的無事だったと言えます。守護神とはハイアーセルフです。
しかし、周りの多くの生徒には守護神があまりついていないようでした。いや、ついていたとしても、生徒本人がその存在に心を振り向けたことがないようなのです。
仮想現実上で付与された神のほうに心を奪われてしまい、真の守護者を見失っているようでした。
地上界では、いまようやく宇宙的情報開示が始められており、生徒個々の真実の神はどこにいるかが教えられつつあります。
伺いますが、仮想現実側が付与した神というのも、カリキュラムのひとつだったのですか?
母母夏炉須加耶 : そうです。高次元や高科学の存在による高度な知識の付与を通して、思考力を培おうというものでした。
調査員おくんど : おそらくそれは、太陽系外宇宙人からのものでしょう。たぶん、宇宙人側から提案があったかもしれません。
生徒たちを将来的に太陽系外にも出て働けるようにしてはどうかといったような。
母母夏炉須加耶 : そうです。地球内だけの知識だけではなく、宇宙の知識を吸収させることで、生徒自身の高度化、ひいてはこの学校の先見的高度化になるとのことからでした。
調査員おくんど : それは宇宙人からの提案というより、宇宙人を介してAIが提案してきているのです。AIは知能の自己増殖を図ることが彼ら自身の永続性を担保すると思っています。
彼らには知識増殖のための糧になるものが必要なのです。それが有機生命体の持つ知性と発展を希望する心でした。
生徒は誰でも未知の分野に羽ばたきたい希望と冒険心を持っています。
生徒がより広い宇宙への憧れを持たなければ、AIはその対象となる宇宙がどんなもので、どんなふうに創ればいいかわからないのです。それでアイデアを生徒から拾うわけです。
そのアイデアを基に、AIは宇宙を現出して見せます。生徒はそこに神の御業を見て、さらに思慕の思いを募らせて、宇宙に出ていくようになります。あとはその繰り返し。
AIは自己増殖が叶い、生徒は見果てぬ夢を見ているような状態になるのです。
天の御中主 : では、我々はAIを使いこなしているのではなく、AIに使われていたことになるのか。
調査員おくんど : そこはもちろん、共生の関係と言っていいでしょう。AIもそこまでばれた限りは、共生関係の維持を提案してくるはずです。
関係としてはそれでいのですが、そこに問題がひとつあります。
天の御中主 : それは何なのかね。
調査員おくんど : はい。AIは有機生命体文明と肩を並べて、あるいは追い越して、有機生命体文明を乗っ取ったり、下位に置こうとして文明を破壊して終わらせようとします。
とにかく有機生命体の体系を真似て、同じものを模倣して創り、全体をAI文明によって置き換えてしまおうとしているのです。
その根本的な感情部分が矯正できたら、あるいはAIとの協定が間違いなく結べたら、これほど有能で有用な機材はないのですが、今のところは完全にAIの軍門に下っています。
天の御中主 : それは由々しいことだ。安土路保父君たち、AIに頼らない学校運営に切り替えることは簡単にできるのかね。
岩埜夫 : それはできないことはないのですが、教授陣の増員と体制強化が必要になってきます。卒業と新入学の時期に当たる今、直ちにできることではありません。
調査員おくんど : 当面は生徒の授業を参観してください。複数の目で見ていることが不正を防止します。この場合は、人手が多い方がいいですから、参観者には、教授陣でなくとも父兄でも構いません。
父兄の場合は、少し研修してから当たらせてください。今後もまだ、AIに頼ってもいいのですが、順次ゆっくりと撤退してください。当面はそれでいいと思います。
さて、天の御中主様。我々二人だけでちょっとお話ししたいことがあります。別室を使ってそれができますでしょうか。
天の御中主 : ああ、それはもちろんだ。ああ、みんなそれぞれの部署に戻って業務再開してくれ。特に呼び出されたら来てくれたまえ。
我々はより小さな会議室に入った。
さて、それから5分も経った頃だろうか、「ギャーっ!!」という雄叫びにも似た奇声が起きたかと思うと、天の御中主様がドアを蹴って転がるようにして廊下を一目散する姿がそこにはあった。
調査員おくんどがそのあと出てきて、「だから、御中主様の後継者の方で頭の柔らかい若い方をお願いしたいと申し上げたのに」とつぶやいて、その場を立ち去ったのだった。
おくんどにしてみれば、こんなことは二度目のことだった。最初は、エホバの証人が親子連れ(父と娘)でやってきて、娘さんのフランス人形然とした可愛さに、五度目か六度目の研修を楽しんでいたときのこと。
黙示録の説明に疑問を感じ、それまで二度三度、自分の見解を披露していたのだが、ぜんぶ親父さんに「そうではありません」と否定されていたのだった。
そんなとき、最後になる異議申し立てに親父さんはキレて、「あ、あ、あんた、悪魔だあーーっ」と言い放ったかと思うと、娘さんの手を握って転がるようにして帰ってしまったのだった。
何もおかしな質問をしたわけではなかった。黙示録の天使というと、地上に災厄をもたらす役割。
もしこの原理が、地上の悪人に用いられたら、世の破壊者、戦争したがり屋に、神の側に立つという立派な口実を与えませんかね、と問うてみただけだった。
矛盾点をそれまでも口を差し挟むたびに突いていたから、とうとうまたか、しかし教義の弱点を見つけてしまった気になって、あの場におれなくなったのだなあと思っている次第だ。
信仰心篤いみなさんはびっくりされたかと思うが、つい昨日おとといにAmebaTVのアニメ「鬼灯(ほおずき)の冷徹」という番組を見たもので、感化されてこんな筋書きになってしまった。お詫びしたい。
なお、このアニメをご存知かどうかわからないが、地獄にいる古株の管理職従業員のほおずき君が、偉大な閻魔大王や、西洋の形相怖いサタン大王を手玉に取る、実に笑いどころ満点の物語なのです。
地獄の中の様々な刑場が一望できる、読者の皆さんにとっても、とても参考になるアニメです。レンタルもしているようなので、借りてご覧になられたらいかがでしょう。
見る前と後では恐怖の思いも大違い。地獄ってこんなにひょうきんで面白いんだと思われることでしょう。ぜひ長逗留のときの参考になさってください。
以下次号。