日本の巨大地震の神話的意義
① 阪神淡路大震災に続く大地震が今までいくつかあった。
② 鳥取県西部大地震
③ 新潟中越地震
④ 能登大地震
⑤ さらにジュセリーノ氏によって予言された大阪大地震
も可能性あるものとして採り上げたい。
以上の巨大地震は神話象徴的に解釈でき、それによって日本がどこにむかっているかについておおよそ知ることができるように思う。
まず、①の阪神淡路大震災は、日本神話に語られるところの「国生みの里」という神話空間上の地理的位置において起きている。この地は、世界創造に関わったイザナギ神の御陵の地であり、黄泉国の状態を呈するイザナミ文明末期に人類の救世節理として機能する神であることから、いよいよこの神が動き出すに違いないと解釈していた。
②の鳥取県西部大地震は、阪神淡路大震災と同規模ながら、犠牲者がゼロという奇跡的な震災であった。この震源地は、鳥取県の日野町。しかも、旧暦の九月九日ひのととりの日に起きているという語呂の良さ。被災者には申し訳ないが、大きなサインと見たしだいだった。
これには以前から私の関わる神話的な伏線があり、あのわらべ歌「かごめかごめ・・・」の鶴と亀が渾然一体となった効果として、後ろの正面に「火の鳥が現れる」と予想され、何が起きるか期待されていた矢先のことだったのだ。といっても、どのような現れ方(効果)があるかについては、まったく以て分かっていなかった。もしかすると、直接的に天翔ける赤々とした巨大鳥を拝めるかも知れないとは思っていた。実際に、その後の時期に西宮の女性が夜空を覆うほどの赤い大きなものがよぎるのを見たという。むろん私は見てはいないが、UFOを話題にしていた最中に、初対面のその人から直接聞けたしだいだった。
それ以前に、この地震によって、火の鳥の起動を蓋然的に予想していたものだから、超シンクロといったところだった。しかもシンクロといえば、二人がそれぞれ象徴として受け持つ鶴と亀が渾った日のちょうど九日目の同時刻。9*24=216時間後⇒2+1+6=9という特別な神聖数九の居並ぶ日に起きていることが、神話象徴的解釈をいっそう強化させるものとなった。さらにその年内には、キトラ古墳で飛び立つ寸前の火の鳥のアクション的な壁画が発見された。
もう間違いはない。そうと分かる者にしか分からない形ではあるが、はっきり観測されたと言うべきことであった。
火の鳥は、神界における禍事を焼却滅尽する神獣である。現在は、天にある如くが地にもあり、地を以て天が如何なる状況にあるかが推測できるように、神界にも邪悪がはびこっている。クーデターによって正神政権が倒されて後に生まれた地上の文明がこれ。正義は廃れ、勧善懲悪はなされず、はなはだしい矛盾の中にあって、有情の魂は混迷するばかり。エジプトのオシリス神話はそれを分かり易くしたものだ。
だが、最強の神獣の登場により、神界は正神に復帰され、影響下にある地上界もその影響を受けて禍事の根が断たれるものと思われる。
地球温暖化は火の鳥効果のはしりとすべきで、神界で今行われている大戦の余波。うまくいけば、地上にはそれ以上の問題は起こらず、やがて収まる。だが、地上も邪神に歩調を合わすなら、焼却浄化過程は地上にも及び、将来衝突すると予言される小惑星が本物の焼却効果となる可能性がある。しかし、火の鳥は、灰の中からよみがえる働きもする。少なくとも地球上の新時代は、いくばくかの空白を置いて開始されるだろう。
③と④の古代地名「こし(高志、越)」の国で起きた大地震は、この地が出身地とされるヤマタノオロチの活動開始を示唆するものであった。ヤマタノオロチこそは、昔風に言えば火山帯に沿って走る地底のマグマの形容。今風にいえば列島の下に縦横無尽に走る活断層と考えてもいいだろう。その有様は、複頭複尾の大蛇と形容されるに相応しい。
火山活動、地震活動の活発化は最近とみに言われるようになったが、神話象徴的にはオロチの活発化していることとして、概括できるのである。
しかし、なぜオロチが今? いったん時代の黎明期にスサノヲ神によって退治されたはずだった。その尾からはツムハ(摘む歯、すなわちオロチの去勢)の太刀が取り出されている。つまり、タマを獲ったはずだった。それがなぜ?
理由は、オロチを酔っ払わせるために使われた「出雲八重垣」が破壊されているからである。これは霊的結界として機能していた。諸葛孔明が敵軍を撃ち破るのに、岩の配置による呪術的手法を用いたように、相手が地下に根を張る巨大な自然現象(暴虐な地祇の企む)であるため、地上にはそれなりに巨大規模の垣根を廻らせる必要があったのだ。それが今の人間の無知によって、垣根になっていた山々の見境いのない切り崩しで、ズタズタにされてしまったからである。それはちょうど、田や畦を見境なく埋めてしまったスサノヲの無知な所業に似ている。その結果、太陽のお隠れになったという筋。それを償うように、反省したスサノヲは田や畦を作り直したのである。
山野の乱開発が天変地異を惹起する? むろん、そこに至るまでは、風が吹いたら桶屋が・・式の緩慢な流れがある。そうするうちに、原因や責任はどこに行ったやらとなるわけだ。学者に言わせれば、因果関係は掴めません、となる。地球温暖化は因果関係が掴みやすかったが、地下のこととなればさっぱり掴めない。人間の無知の為せることとはいえ、その結果を査収するのも人間であることになってしまう。
スマトラ沖大地震の10日ほど前に、夜空を非常に鮮明かつ巨大な帯状の地震雲が、列島の方向に沿って地平からもう一方の地平へと延びていたことを知っている人はいただろうか。夜空ゆえ注意できなかったかもしれないが、もし昼間ならぞっとしたことだろう。
地震雲は、出雲八重垣の整然と並んだ地変鎮静機構の稼動の証拠だ。
だが、オロチの活発化は、この機構の衰えを示している。能登の地震も三重の地震も、地震雲の予兆はなかったように思う。稼動がうまくいっていないのかも知れない。
諸々の神話によらない地震も、オロチの活動効果として捉えることができるように思う。
⑤の予言された大阪大地震は、神話象徴的解釈とともに、霊的結界に関する解釈もすべきだろう。そして、この地震発生の日本に及ぼす効果のほども予測できる。
2009.1.25と日付を特定された西日本を中心とする大地震の予言。
個人的には家を打ち捨てて逃げ延びる、生き延びるという方針を貫くしかないが、この大地震がもたらす神話効果の甚大さは特筆ものだ。
というのは、日本の進むべき方向に、舵切りを迫られることとなるかも知れない。これは天の計画なのか、それとも陰謀なのか。
では、順序だててその辺を。
大阪から半径数百キロが激震の被害に遭えば、建国当初の理念が置かれる古代都市の設営地に打撃を与えるものとなるに違いない。その地域は、正五角形、五芒星形、黄金比採用の菱十字形などの幾何学的結界が張られたところである。
建国当時の平安楽土万年春を祈願した霊的結界が、今まで日本の独立国家としての存立を支えていたといっても過言ではない。
それがオロチの襲撃に遭って壊滅してしまうとすれば、日本は霊的に急衰退するかも知れない。本来結界がまともに機能していれば起きるはずのないことであるが、長期間、為政の中心が移転され、不使用による錆が出て、衰えが生じているという下地がある。結界はそれを施した者の霊統が支えていなくては、いつまでも機能を維持できない。むしろ、東京のほうが人間のバイタリティーという結界力が機能して、オロチも手が出せなかった。何度か襲撃を敢行したが、いずれも跳ね返されて自爆したといった感じだった。
そこでよくよく考えたものか、オロチは守備の手薄になった霊的心臓部に狙いを定めたという気がするわけだ。
この地震が予言の文字通り起これば、旧い造りの神社仏閣や巖倉は倒壊し、祭祀を行う者の断絶など、結界の破壊と維持の心の消滅が同時に起こり、国力は急衰退する可能性がでてくる。
すると、国は内憂外患に恒常的に曝されるようになり、国自体の消滅にも繋がるかも知れない。
予言では、日本列島はあと数十年もすれば海没するらしいが、そのようなこともありうるかもしれない。だから、大阪大地震は是非とも回避させたいところだ。日本の神官層や呪師、ありとあらゆる能力者を揃えてでも、この結界を維持させねばならないのだが、物質主導型体制下において、果たしてできるかどうか。
この結界は、逆五芒星の形から推測して、物質文明の隆盛を願ったものであったと解釈できる。その形は牛頭であり、バビロニアの主神の神像を表している。
建国当初の理念は、バビロニア的な呪術性と華美を旨とする天神系理念の爆発的開花を狙ったもので、日本神話におけるウエイトが天神系に置かれているのとみごと一致している。
すでに国もその理念実現の役割を果し終えて、象徴の都平安のエルサレムはいまや打ち捨てられたかのようだ。その期間が一世紀以上にも及んだことや、地球温暖化という人類終焉の事態が目の前に予見されていることから、世界的な物質文明隆盛という顕わしの役割は現在、終わったと見るべきだろう。
それが今回、神話象徴的に大地震による結界の破壊として現れてきそうだということだ。
さてしかし、この結界が壊れることによる別の見込みも少なからず出てくる。
それは、呪術的に封じられていた精神文明推進の動きである。多くの善意を世界に施してきた積善の徳が、いよいよ世界を変える希望ある動きへと日本を後押しするかも知れない。そのときは、新たな良い結界を日本に築いて国土を守るか、それとも日本人が海外に雄飛して、未来を切り開くかのいずれかにしなくてはなるまい。
2009年の大地震の神話的意義を考えるに、これ以上この道(華美な物質文明への傾斜)を進むなとの天災の警告による事態なのか、それとも日本滅亡を速やかならしめたいという陰謀によるものなのか、その辺は分からない。だが、否応なしに、従前の利益主義の道から引き剥がされることになるだろう。その痛みは、肌にしっかりと密着したサロンパスを引き剥がすほどに相当痛かろう。
この結界の破壊という観点からすれば、すでに①の大震災も先日の三重県亀山の地震も、結界を作る幾何学図形を狙ったものと思えなくもない。いずれも五芒星のライン上で起きている。
ジュセリーノは、このままいけば滅亡だというのと呼応するように、天神系理念の顕わしの後の古事記神話の展開は、汐満汐干の暗示する、海面上昇、津波、旱魃、文明の終息。そしてウガヤフキアヘズの振り出しへの回帰のシナリオくらいしか残されていない。
それ以後は神話的には未知。振り出し(文明開始の原点)に戻るのか、それとも精神文明への転換といった別のものの展開になるのか。不安と期待を持って眺めていくこととしよう。