今朝未明の夢
今朝未明の夢ははっきりしたものではなかったが、心的不安を伴う、思わしくないといったふうのものだった。
奇妙なメッセージがイメージで流れていた。
「USGがUWによってWxxになっている」
USGとは、有情たちが向かう新時空の黄金楽土を予定されている場所のことのようだ。
いま、地球の神々の撤退と移行が、そこに向かって開始されている。
神々が持ち分けて創造し維持してきた生き物たちが、主神に殉じて、新時空に向かっている。
と、そのはずだが、何か手違い(UW)があったもようだ。
例外的なイレギュラーであるだけなら、まだいいが、何かトラブルが起きていないか心配になった。それの起こす心的不安であったなら、ちょっと困る。
私は、神々や有情に、移行を声高に薦めてきたからである。
まさか、新時空に入れなくて、列をなして待機しているといったことはないか。ちょうど難民たちが国の境界を超えられず、難儀しているように。
目覚めるとき、いちどどうなっているか、見てくる必要があると思ったというのも、私は祈って眠るとけっこう、それに類した夢を見たりするからで、半分自信はないものの、やってみようという気になるのであるから、何度も言うように変人なのである。
これも思い込み仮説になるが、たぶん何度も意識に登らなくても視察してきているとは思うし、梵天のなさることゆえ不安はなかったのだが、記憶に残る夢見をしたことがまだなく、今回の不安もあって、ぜひとも見て記憶して帰ってこなくてはならないと思ったわけである。
とにかく、新世界には新規に設定していかなくてはならないこともあるので、私も早いとこ行って建設に参加したいこともある。
そうではあるが、こちらの時空で一連の手続きを済まさねば、完全な移行は叶わない。その手続きに躊躇しているのは、イザナギらしからぬ思い切りの悪さと未練ゆえである。これでは、私自身、黄泉の肥しになるしかなかろう。ロトの妻のようなことをしてしまわないだろうか。
未練とは、私の家族を残すこと(妹や猫たちのケアの中座)、この時空の今後に対する影響が測り知れないことなどである。(だって、私の死去後の加州の崩壊や最後の審判の督促などの予知夢を見ているのでね)
しかし、いずれこちらは打ち捨てられ、焼尽されるのだとすれば。いいや、回復の見込みがあるなら、何とかしてよの気持ちなのだが、黄泉度が強すぎておそらく敵わないだろう。心だけ揺れ動く。
猫たちは別世界の夢でも見ているのか?
猫は昼間に専らとして眠り、夜にこそ活動するようだ。夜に彼らはいったい何をしているのだろう。
うちに残る家猫はトン(大国のトン)とシャン(タキ・バステト)の兄弟だが、どうも家の周辺の見回りに、交代制を敷いているようである。
一方が帰ってきたら、それまで休憩していたもう一方が出て行く。そのときの申し送りか、鼻先を一瞬触れ合うしぐさをしている。鳴いたりすることはない。どうやら、テレパシー能力のようだ。あくまでも鳴くのは、私に対してと、他所猫との対決のときだけだ。
そこで思ってしまうのは、いったい彼らは、この世界をどのように見ているのだろうということだ。もしかすると、彼らはこの世界を通して、別世界の物語を見ているのではなかろうか。
こんなことを思うのは私だけだろうが、もしかすると猫たちは人間として自分たちを見て、我が家周辺のテリトリーを一国と見て、警護に当たっている中世時代の物語の中にでも生きているのではなかろうかと。
では、そんな彼らにとっての私は何なのか。身近にいる神とでもいうか。しかし、自分たちとはうまく意思疎通できない、知能の劣った神のように思っていないだろうか。
トンなど、忠誠心を事あるごとに示してくれるのだが、給餌の際に、話にならないとばかりプイと去ってしまうのは、彼の欲求が私には読めていないことによる齟齬があるからである。
情けないが人間は、ほんらい生き物の間で読めるはずの心が読めない種族になり果てているのだ。それが猫好きで飼いたがるというのは、猫を通して世界を見てきた経験が多少でもあるからなのだろうと思う。
猫世界の忍者まがいの手練れ衆と、ユダ猫族楽園追放の次第
この限界の地に落ち着いて猫を飼うようになって、猫を通して発見させてもらったことが多くあった。
まだ先代の猫三匹(今はブーしかいない)が幼猫であった頃、200mほど北方にAさん家があり、そこに約20匹もの猫がいた。そこから、毎日毎晩のように、うちの猫に対して襲撃をかけてくるのだ。
うちの猫たちは脅えて逃げ回るしかないため、襲撃にしか見えない。
やがて、襲撃猫が我が家に居就きたがっていることがわかった。
それというのも、痩せた身体を近隣の道路の真ん中に横たえて、さも私が餌をやらずに虐待しているふうに、滅多に通らない車に見せている感があったのだが、それは私の関心を引くためのまったくの芝居で、スタミナはものすごく、毎度のように家の中に侵入してきた。
そのため、ある夜に仕掛けを作って、これをとっちめることにしたのだった。
私が寝ている最中に、うちの猫たちの感性を察知し、仕掛けの紐をぱっと引いたら、かかったはずの猫が二匹、私のほうに挨拶しながら歩いてくるのである。はっと目が覚めた。夢だったのだ。
ところがその朝、私が窓の傍に寄ると、外から「カーカー」声が聞こえる。見れば、襲撃猫の”石松”と”ミケ”が下にいて、私を呼んでいるのである。
お・おまえら、夢に見せやがったのか。
仕方なく餌を持って出て行けば、今まで私の姿を見たら一目散していた猫が、足元にまとわりついてきた。そのシーンをYoutubeに上げている。
何たる手練れ。夢にまで見せるとは。まさに狐狸妖怪か。
しかし、我が家の猫たちと相容れることはできず、お断りすることになった。すると今度は、メクラいざり猫が道路上に現れるようになった。目が見えず、耳が聞こえないようで、車が近づいても逃げず、動作も鈍く動かないのだ。Aさんによれば、目が見えないのだという。
ところが、ある日、階段を上がりきったところに設置してあったセンサー感知して光るライト装置の上に、乗っかっているのには仰天させられた。
ど・どうやってここまで上がったのだあーーっ!!
忍者そのものであった。ふだんは、いざり猫として演出しておいて、いざのときには熟練の術を見せる。まさに忍者・忍び草であった。
ある日、我が家の前の道路を通るここでの先輩のS氏に聞いてみた。Aさんとこの猫の由来をである。
実は、その猫たちは、元々、Aさんちから300mほど上の「桃源郷」と号した館に住んでいた主人が飼っていたという。ところが、そのご主人が突然に亡くなり、相続人が館を売り払うべく、猫たちを追放してしまったのだという。その後、その館は別人のものとなった。
こうして、多数いた猫は苦労して餌を探すことになった。やがて辿り着いたのがAさんちで、次々と現れる猫たちを哀れに思い、給餌するようになり、彼らはみんなして居就くようになったとき、総勢20匹にもなったという。頭数は今もそう変わらないという。
Aさんによると、我が家に来るのは最長老の猫たちだったという。
エデンの楽園(屋号が桃源郷)追放当時の長老級の猫が、我が家に民族の転身拡張先を求めてやってきていたというわけだ。まさにユダヤ民族の辿った漂泊の歴史を物語るようではないか。
だから、幻術を使いこなせるほどに、術達者になっているというのも、頷ける話ではなかっただろうか。
Aさんは私よりも5,6才年上だ。きゃしゃな身体で、よくこんな人が菜園づくりがこなせていると思うほどだ。猫たちの養育費だけで、月3万円かかるという。きっと猫たちが、応援しているに違いない。その彼女がいなくなれば・・・嗚呼。
限界集落でありながら、猫がいるだけでも、嫌がる人がいる中で、これからの時代はいっそう窮迫してくるだろう。
だから、イザナギの渡せる新世界の完成完備がどうしても必要なのだ。みんな分け隔てなく、厚遇する新世界にどうぞいらっしゃい、と自信を持って言えるような。