トンとシャン(別名タキ)が常駐

トンは我が家を守る気概にあふれた番猫で、さながら犬のように足元にまとわりつき、忠義を示そうとしますが、歩きにくくてたいへん。
その気持ちはよくわかるのですが、餌のことになると、気に入らなければプイッと行ってしまうので、手と足をとられてたいへん。
うまくマッチすれば、ああよかったと、物事の稀有に成就したときの殊更な喜びを味あわせてくれます。
タキもまた餌にけっこううるさく、マッチしなければ一声「ファォン」と鳴いて、別のものを要求します。
そしてまた、一回の食事に、いくつもの食材を要求し、さながらフルコースねだりのようなところがあり、しかも何品かの品目ごとに食べる場所を指定してくるのです。
まるで過去世がどこかのお姫様だったかのようで、これまたシェフとしてはいささかたいへん。
じょうずにマッチした時は、これまたシェフ冥利を味わうことのできる瞬間です。
そのタキは最近、私の寝床に入りたがるようになり、それでもかつての母猫ウーのように潜ってくるほどの勇気もなく、いちおう私の寂しさを案じての感をさせながら、愛撫をねだっておるのです。
ほんとうに猫それぞれに個性があり、それを理解してかかることが大事で、Aさんとこのように、数が多ければ多いなりに、十羽ひとからげに餌やりしておけば、めいめい勝手に生きていく
もののようで、それが理想と思いながらも、もう今やそうもいかなくなった我が家を振り返ってみるようなことです。

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