24日早朝、外が明るくなったのを見て、猫キャリーバッグを持ち、作業着に長靴のいでたちで、チンの捜索に密林に入りました。
そんなに遠くに行ける体力もなかったことを考え、3,40mほど、彼の向かった先にまで入ってみました。
トンが少し後ろからついてきました。
トンも私が何をしようとしているか、わかっているようでした。
体力の続く限り、チンは分け入ったに違いありません。
それより先は、谷のほうへと勾配を急にしていましたから、捜索打ち切りとしました。
むしろ、家の近辺に戻っているのかもしれないとも思いましたので。
しかし、どこにも見当たりませんでした。
もっと遠くに分け入ったに違いありません。
思えば23日の夕刻、チンが密林に逃げ込んだあと、しばらくしてから、鹿がけたたましく鳴いていました。
それはやや方角が違いますが、チンならよく行っていたところです。
もしかしたら、そっちのほうに。
しかし、一晩経過しましたから、もうほとんど絶望的でしょう。
私はむしろ、彼の冥福を祈るほうに、心を切り替えていましたから、あえて再捜索をしませんでした。
今日で、三晩を超すこととなりました。
彼も覚悟して私から逃れて密林に入ったのですから、生存しようとは思っていなかったでしょう。
ウーちゃんに続いて、チンにも不憫なことをしてしまいました。
思い返せば、ここはこうしておけば、彼はまだ生きていたのになあという思いになります。
ウーちゃんのときもそうでした。
最近は、考えて行動することすべてが、裏目に出てしまいます。
最善を考えて行動すればするほど、ことごとく最悪を招いています。
もう、一年以上前になりますか、チンの死骸らしい光景を夢に見たことがあります。
毛深い白い何かが、土の色を被って、ぐじゃっと横たわっていました。
彼の今頃の様子を夢に見たのかもしれません。
今晩は、夜中のうちに雨になりましたし。
ウーちゃんとその前に逝ったフーちゃんに、チンちゃんの道行き案内を依頼しました。
父と母のもとへ。
それがいちばんでしょう。
辛いだけのこの世には、何の未練も残さず、逝ってください。
できれば、私が昨年末に死と死後体験を夢でして至った、あの新世界にみんなして行けばいいな。
そこは空を飛ぶことも、何でもが自由にできる世界。
チンちゃん、私が逝くとき、まだどこかで踏み迷っていたなら、私が抱えて連れていくよ。
フーちゃんやウーちゃんは、問題ないかね。
ブーもトンもシャンも、みんな連れていきたいな。
そこは、本能などの初期条件付けの皆無の世界。
何の不安もない世界でみんなして暮らしてください。
ご苦労様でした。