体育会系子猫ウー
当初いちばん小さく、400g程度だったものがいまは750gだから、約倍になったことになるが、依然いちばん小さいことに変わりはない。しかし、筋肉質で、当初から俊敏さにかけてはいちばん。駆け回るスピードは他の追随を許さず、爪にかける力はいちばんで、今でも、一番高いところまでの駆け上りを極めているのは、ウーである。面構えも、女とはいえ、まるで阿修羅のようでりりしくまた威厳がみられる。
私の足や手にできた引っかき傷はほとんどがウーによるものである。他の二匹同様に甘噛みをしてくれるのだが、爪だけはおかまいなしときていて、とても危険である。軍手などをしていなくては、いくら傷ができても仕方ないほど。よく他の二匹が取っ組み合いのときに困らないものだと感心する。
食事もまんべんなくおよそ何でも食べて、ただ水が三匹全部がそうなのだが、飲めないときている。水の味が嫌なのかどうなのか。食事だけでは水分不足が気になったが、その辺はもう彼らの本能に任せることにした。
ウーに関しては、他の二匹の飼い主に対する媚び方に追随することなく、独自のコミュニケーション(男っぽく無理によじ登ってくる)を採っているように見受けられる。
どうも白虎らしい
しかし、ときおり不思議な夢を見てしまう。
前夜の夢に出てきた別和尚の顔にそっくりな画像を見つけた。というより、白虎のほうから検索で出てきた画像が、高松塚古墳の西壁の白虎の絵で、とても似ていたのだ。
頭頂禿げで、周りに毛を残す感じで古墳の絵も描かれている。こんないかつい年寄り顔が夢の中に出てきたのだ。
体毛が白2対1ぐらいで、刷毛で描いたような感じで見え、痩せて胴長に見えたのも、古墳の絵そっくりだ。ただ、絵のように神聖な模様でも雰囲気でもなかった。
しかし、ここまで表情が似ていると、そう思わざるを得ない。
まだ新神話は機能しているのだろうか、各方位の神獣をタイムシェアー的に巡る旅をしているのは、今までと変わりはないみたいだ。
もうまもなく、宇宙人が地球の虚構文明をいったん鎮静化する。新神話にも書いている行程だが、そうなればもう新神話が成ったも同じだから、新神話グループも解散の成り行きかと思っていたのだが、最後に追いつくようにして白虎が現れた。それも子猫として。シャーマン能力を備えた子猫たちである。神獣の化身と考えてもいいかも知れない。
元の飼い主にリコール要求したものの、白虎だとなれば、どうしていいか。つまり、お客人だ。
しかし、まるで中国の客家のように食選びがすごい。キャットフーヅなど匂いをかいでバイバイ。もうサバには飽きつつあり、牛や卵、鳥を経て豚へと食牙が移行している。それに飽きたら・・・もう、後がない。
それに比べて私は、芋とかゆをいただいている。もう、呑まずにおれるかと、梅酒とビールのあと酒かすで甘酒作って、昼飯とした。身体が温まってとても心地いい。このまま息絶えたら、最高だろうに。
巡り終えた錆びた太陽
新神話で太陽神天照天皇は十二人の妃を擁していたとしている。ホツマに準拠しているのだが、それは黄道十二宮にも対応する。東西南北の方位にそれぞれ三妃で十二妃である。このような大奥のようなシステムにしたのは、ひとえに国祖を弱体化し陥れようとする邪神の姦計に他ならない。その直後、国祖は暗殺され封印され、世界は暗黒化した。あたかもいいように見える大奥ハーレムのカルマを背負った雛形の、翻弄された運命がいまここにある。いろんな雛形を引き受けすぎるものではない。
新神話発足以来、九人はいろんな形で現れたかに思える。あと三人となっていたとき、西の妃は子猫のメス三匹でやってきた感があって、これで巡り終えたのではないかという思いである。すでに二週間を三匹と寝食ともにし、成り行くに任せて別れがあり、それでおしまいになる流れだ。
ちょうど宇宙に出るタイミングとなる具合。あるいは2012年の満了まで行って、そこからは暦のない世界(新時代ならばよし)となるのか。三年もよう世話できないから、いづこかでさらばとなろう。
ホルス、ルシファーらは原初の太陽神。それがどこかに封印隠蔽されている間にも暦は進み、旧時代の幕引きとなるのか。不本意だったとか、悔しいとか言っておれまい。元通りにすべく動いた結果がこうなら、それでよしとすべきである。新神話もそれで終了する。
子猫たちは、もうすべてを理解しているようで、じっと向こうから見つめているだけで、私のもとには寄ってこなくなった。というのも、リコールの心積もりをしてしまったからだ。もう、私の脚を見ても、避けて走り去るだけだ。まさに心を読み取るシャーマンたちである。
いっそ、あんな夢は見るべきではなかった。見てはならなかった。
しかし、フーの、私たちの正体を見せて喜ばせてやろうという気持ちには、ただ感謝。
急によそよそしくなったお客人の態度に寂しさを催し、ついぞ道行きを捕まえて「大丈夫、仲良くやっていこう」と説得したら、また膝の上に乗ってくれるようになった。やはり三匹とも手放すことはできない。