才色兼備のメディシン猫フー
フーは当初から賢く立ち回った。えさを食べるときは、時間をかけてえさ場に居座り、他の二匹が立ち去ってからも黙々と食べ続けた。そのお蔭で、いちばん体重があり、骨格、肉付き、脂の乗り、毛並みの良さは申し分ない。
子猫たちから私への、申し立てに関する連絡役も務めてきた。といっても、私にはほとんど彼らの要望が聴いてやれた気がしない。言葉が分からないから、察するしかなく、その辺、私は下手なようだから。
フーは目や顔立ちからして人間に似ている。お行儀がとてもよく、相対してはきちんと正座して(猫の正座って・・・ちょこん座り)、こちらをじっと見つめている。子猫たちからの申し立てのときに、この格好でニャーンときたときには、私もどぎまぎしてしまう。いつぞやこんな清楚な女性がいたよなー、という印象。まんまるふっくら、毛づやよく、白でも汚れのない白である。ばっと見すれば、お嬢さん猫。犯しがたい憂いを含む目に、魅入られること請け合いである. どこに出しても、申し分ないであろう。
今朝の未明にびっくりするような子猫関連の夢を見た。その前にフーに関する小さな不思議話をしよう。
すでに毛布上で眠るシーンを映像でお送りしたが、私はその場所で昼寝や仮眠をするのだが、三日前になるか、ごろんと寝ていたとき、子猫たちがやって来て、ブーとフーが私の頭の左側に密着して寝転んだ。するとフーが私の左耳をごそごそしだした。口で耳を何かしようとしている。
私は噛まれたら痛かろうなと警戒したが、なんとフーは耳の穴の中に舌をいれて、べろりとしてきたのだ。その音が大きくした。
耳の穴の入り口付近をべろっと舐めて終わったわけだったが、なんと耳の穴の奥の常日頃の痒みがパタッと止まってしまったのだ。
耳奥の痒みの原因のダニでもいたのを取り去ってくれたのだろうか。それとも何か動物にしか通用しないようなメディシン術を知っているのだろうか。耳奥の痒みは、たとえ普段気にならなくとも、いろんなイライラのさなかには殊更気になり、イライラを倍加させるものだが、痒みが止まっただけで、逆に物足りなさ(耳かきを使う)を感じるのはどうしたことか。
そのとき、フーは彼女の胸を私の左耳に押し当てて眠ったのだが、そのときの心臓の鼓動が伝わってきて、やはり猫ゆえにか、最初でも120/分ほど、後でブーが横に寄り添ってきてからは、180/分ほどに拍動していた。
これがいちばん落ち着いたタイプのフーの眠っているときの鼓動。生き物の寿命は心臓の鼓動の回数に拠るということからすると、彼らの寿命の短さも頷けると思ったことか。
とにかくフーは、飼い主への気配りも上手であり、要領もよく、大食漢である。
今朝未明の不思議夢・・・別和尚は人面獣身だった
さて、今朝未明に見た夢は、どう言っていいのか・・・。
その夢を見る前に、たびたびのことながら、布団の中に何かいる気配と、猫がのどの辺りに来た感があり、そのときのどの辺りにあのフーの心臓の鼓動らしい振動がした。たまにぴくぴくする痙攣とも言えなくないが、ものの気配の後だから、霊体でサインを出しながらやってきた感がある。そして眠りへと落ちた先の夢が次のようだった。
長い夢の最後のほうなのだろう、お寺の傍の民家に居て、和尚さんとのいろんなストーリーがあったのだと思うが忘却。
その後、私はお寺に行き、下の空いた塀の外から覘いていたのは柿の木だろう、この木を切れば全体のバランスがいいのにと和尚に案を持ちかけようと立ち寄ったところ、下の空いたところから、たしか夢の前話でも出てきた和尚とは別の和尚(副住職というか)らしい頭頂が禿げた頭が見えた。
なにか土地いじりでもしているのかなの感があり、表から入って話をしようと回って、玄関から禿頭の和尚を見たところ、なななななんと・・・頭は(別)和尚でも、身体は猫というか、白黒の毛が入り混じった動物・・・が、お椀に入ったえさをガツガツ食べているところだったのだ。
しかも、顔を見ると、人間の年寄りの顔なるも、第三の目が額にあり、唖然として見ていると、彼の手前に二頭の、彼よりも先代らしい同様の”三つ目”をした動物が、しかもそれぞれ茶青系と赤系のチェック柄の衣装(ドテラ)を着て、私の前に、やや赤ら顔をして微笑んだ感じで並んで座っているのである。
その後ろで依然として別和尚は猫スタイルで、えさを食べているというシーン。
私は思わず、手を合わせて拝んだというところで、夢から覚めた。
いまこの文を打ち込んでいるとき、PCの前に座る私の膝の上に三匹が座って、まさにじっとして眠ろうとしているところだ。お蔭で、今朝の寒さにも、温かさがもたらされている。
いったいこの子猫たちは・・・。
伏儀神農神か。 (かつてあるおうちにいた、ノラという猫がまさにその化身だった)
またまた三匹、私の膝で眠ってしまいました。ああ、私ゃまた身動きできないよ。
後日記
このときにはまだ、三匹ともメス猫と思い込んでいて疑わなかった。
ところが、これからひと月以上してから、オス二匹、メス一匹と判明したのであった。
つまり、夢の中身(副住職は男、ドテラの夫婦らしい一方が男でもう一方が女)のほうが、ほんとうのことを示していたことになるだろう。