物見台建設現場の怪

私は、殺虫スプレーでやってしまったムカデを、このように集めることにいたしました。
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家の中に入ってきたら、こうなるのだと、後続部隊に知らしめようと思ってのことでありました。
ところがその翌日(昨日の朝)、物見台倉庫の建設現場に、ボトッという音がしたようで見てみると、土の上にムカデがいるではありませんか。
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それも、そんなに動きません。
まるで殺虫スプレーの照射を懇願しているふうでもあります。
ではと、シュッと一吹き。するとやや丸まったものの、やはり逃げたりしません。
そのときでした。ムカデの言葉が耳に入ってきたのは。
「私は袋に入れられたムカデの妻でございます。たった一人では暮らせませんので、私にもどうぞ引導を渡してくださいな」
おお、そうであったか。それは気の毒なことをした。百足という異形の姿をしているだけで、このような嫌われ方をしなくてはならぬそちが不憫。天地の神々よ、この者を、この者たちを、共に幸せに暮らせる世界に生まれ変わらせ賜え。と、涙して祈ったのでした。
そして、二匹共にしてあげました。まさにメイさんの仰るとおりでしたね。
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あとで、いったいどこから降ってきたのだろうかと考えたところ、どうやら着物についていて、肩のあたりから落ちたのではないかと分かりました。ゾッ。
とにかく、もう家の中には現れたりしていません。すべての隙間を埋めましたから。私のほうの不注意で彼らを殺すようなことのないようしたく思います。
さて、物見台は今、半分の部分の大枠が出来上がっております。
5/26・・・こちら半分の床がアバウトに形を成しています
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5/27・・・柱と屋根部分がアバウトにできました
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しかし、たった一人でやっているものですから、難儀することといったらありません。
片棒を担ぐという行為が、いかにたいせつかを思い知ったようなしだいです。
ふと、ムカデ夫婦がうらやましくなりました。

「物見台建設現場の怪」への3件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    白蛇伝でしょうか。
    白蛇あるいは青蛇の精が許仙を誘っているシーンかと。
    舞台となった西湖の畔は山陰の白砂青松の景観に似ているとされます。
    あるいは、そこが山陰だったとすると、浦嶋伝説の逸話として存在したものとも思えます。すると羽衣の女は竜神系天女か。
    新神話の中に織り込めそうな話だなあと、印象深く思いました。
    どなたが夢を見たのですか?

  2. SECRET: 0
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    ムカデ夫婦の記事にふさわしいお話しと思いましたに、昨日旅立たれた(なくなられた?)とのこと。
    ツインソウルとは、双子の魂と直訳されますが、私が思いますに、もともと丸い一個の完全無欠の魂だったものが、ストーリーを創るために、性格を+-に偏極させて現象世界に躍り出たものと解します。
    この二者が出会うときは天が轟き地が鳴動するほどの心的事象となり、分身したそれぞれにはっきりと分かるものとなり、出会えば静平衡が訪れ、あらゆる時間が無時間のうちに経過し、ただお互いがそこにあるだけで至福を感じ取れるものとなります。そのような出会いはきわめてまれであり、たとえ電話で話すことができただけとしても、それは稀有な幸運に縁取られた事象となります。
    その方は、永遠に向けて旅立たれたのではなく、あなたの中に自在に出入りできるエンティティーとなられたわけで、あなたがこの世から旅立たれるときまで、傍から見守り続けるゴーストになられたのです。ともに旅立つことのできるその日まで。
    ああ、ここにもムカデ夫婦がおられましたか。
    天地の神々よ、この者たちを、来たる日には、共に幸せに暮らせる世界に生まれ変わらせ賜え。

  3. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    この世界では個々別々で限界がありますが、霊魂になればエネルギーの世界ですから、意志の赴くままに際限なく行動が展開できるものと思われます。
    限界のある中で、限界はないんだと認識することのほうが難しいわけで、生前にどんな唯物主義者であっても、然るべき立場に立てば本姿に立ち返るものです。生前の思想信条ではなく、相性というもので縁の深さは推測できるもの。幸運でしたね。
    あなたが感じ取るようなことが実際にありえていると思います。

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