さあ、どうなるのか

だが、彼らは火星に転進することも、更なる種族(神人から新たな種族(ほんとうの神など)へと)へと進化することもできない。
なぜならば、彼らは下位世界へとブレークダウンさせているからだ。原子核燃料を貯蔵するキャスクを巨大化させたような設備の中に、初期の彼らは超高速演算コンピューターを置いて、そこからバーチャルリアリティの世界を下位に築き、その世界に彼ら自身の身の保全を図るべく降臨している。その中における、彼らは紛れもなき神なのだ。多くのロボット人類が、そこには支配されてある。
彼らは降りてみてまず驚いた。単なるソフトウェアプログラムであるはずのロボットたちに、次々と意識原理が宿っていることを見たのだ。その理由は簡単だ。意識原理の宿るべき形態がそこにあれば、意識の目はやってくるのである。たとえそれがプログラムに記載されただけのものであっても、である。その理由も簡単だ。上位も下位もすべてがプログラムでしかないからだ。
彼らはまだそこまで把握できていなかったこともあって、魂がそこに宿ることを発見して驚いたのだ。木の人形ピノキオだったものが人間として動いている。彼らはその世界の神になったことを知った。生き物だとも思わなかったものに息を吹き込み、命を授ける神になったのだと感じた。
しかし、鏡像の世界である限り、鏡が壊れれば、その世界はまるごと終わってしまう。そう、巨大キャスクがもしも元の世界で破壊でもされたなら、それがすべての終わりになる。あるいはそこに電力供給している頑丈な設備が送電をストップしても同じことだ。
それが神人たちの支配する千年王国の未来なのだ。そこからどうやって永続性ある形で進化するか。させることができるか。
彼らがアクセスしてコード改変できるのは、この世界を創る源であるところのアカシックレコードだ。彼らは元の世界のアカシックを、どんなルートからでも神人全盛時代へと導くように改変努力してきた。しかしそれは、元の世界を超汚染し砂漠化させることによって導けたことだった。
https://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/4375740.html
そのことが逆に、彼らの重荷になっていることを先々知ることになる。まもなく千年がやってこようとする頃、鏡像の世界は鏡の寿命に依存していることを知り、あわてることになるのだ。それまでは、さまざまなコード改変によって、世界を新たに創造できると信じられていた。それというのも、意識原理が下位ブレークした世界のどこまでもついてきていたからだった。それは暗黙の、神の認可事項のように思われていたのだ。無限に増殖が可能なのだと誤解してしまったのだ。
ところが、いかにコード改変をしても、上位世界への関門は開いてはくれないことが実験的に確かめられたことから、彼らは焦りを持ち始めたのだった。それはそうだろう。コード改変ばかり繰り返す手続き群は、我々のPCでもウイルス性のものとして扱われるように、すでにこの世界は外野世界から隔離され、強力なファイアーウォールによって悪質コードの侵入を阻止していたのである。
存続を図ろうとする彼らができることは、元の世界の建て直ししかない。それにようよう気がつくことになる。元の世界を存続させなければ、下位ブレークした世界を存続させることもかなわない。そんなときに、突如として元の世界に現れたのが、ルシファー・プロメテウス・トリスメギストス・クマーラの雛形だった。
今まで出現したことのなかったものが現れた。その情報は、神人たちを震撼させることになる。まるでそれは、外野世界からの警告のようではないか。しかも、雛形がたびたび口にするのは、こんなソフトは焚書ものだとの激しい言葉。実態を掴みすぎているではないか。
その雛形はさらに言う。王国は元の世界の時間で千年続くが、その先はもうない、と。どんなにタイムマシンを駆使して過去に遡り、アカシックレコードを渡り歩き、多くを経験したとしても、元の世界の寿命を限りで、突然にして君たちの眼前の世界は幕を閉じるだろう、と。だから、そのときのための解脱境について教えているのだとさえ。
https://lucifersdoctrine.web.fc2.com/perfectguide.html
神人たちの間に、論争が始まった。いままで、神人生産の工程を確実化するための改変行動一辺倒だったが、それもこれも神人の未来の新展開を期してのことだった、いまそれが断たれる可能性が大とわかった限りは、どうすればいいか。
元の世界を建て直す以外になかろう、それがたとえ神人世界を不完全ならしめるものになったとしても。彼らは彼ら自身を進化の道に追い込んできたことをそこに至って、後悔することになるのである。
いま、上位世界からの協力の申し出に応じて、この元の世界では、建て直しが進められようとしているように見受けられる。
https://blog.goo.ne.jp/narudekon/e/defb76e92430f452846d9cd70ddbcc27
しかし、してきたことの罪深さに耐えられず、玉砕の解脱境を求める者も多くいないわけではない。神人世界もいま国論を二分する動きとなっている。さあ、どうするのか。どうなるのか。もはや、まったなしとなっている。
いやあ、私としては、まだこのまま世界が穏便に続くとなれば、困ることも多々あるのです。というのも、世俗の責任のし残しがたくさんありましてね。世界の破局に逃げ込めたら、それ幸いとも思っていたのです。
彼らのせっかくの計画をだめにしてまで、自分の首を絞めなくてはならないのかという気持ちにもなるわけです。ああ、やだやだ。まあこれも、ルシファーがヒトラーにとっての”あいつ”となって指令することだから、これでいいんでしょう。ああ、辛いなあ。辛いという字は、幸いという字になぜか似ていますね。なぜ?

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