あるウマの厩舎の物語

殿おーっ、これは半マジですか全マジですか? こんなお姿で日本国中を徘徊なさらないでください。庶民は時代錯誤だと申しておりますよ。
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じい、私ゃなにも好き好んでこんな芝居やってんじゃないよ。ハイラーキーのご命令だから仕方ないんだよ。

そうですか。殿の本音が聞けた気がしました。
私もハイアーセルフのご下命で、名馬赤兎馬ではなかった赤鳥馬(セキチョバ)やらせてもらってますので、殿のお気持ちはよくわかります。
なお、赤兎馬は関羽公ご乗馬の名馬であり、かつ薩摩焼酎の銘柄でありますが、赤鳥馬はレッドエイビアンホース(トゥールーク)のことでございます。
この乗り手はトゥールーク・マクトといい、この惑星の王になるべきお方とされるほどに優秀だとのことでございます。
だから、不惜身命にてご奉公することが大事になってまいるのです。

その点、殿は暗黒の帝王・黒弥勒様が乗り手とのこと、けっこうアバウトな足並みをご所望とのことで、よく足がもつれてしまわれるとか。
お互いウマの身のみぎり、ウマのひとりとしてご同情申し上げ、お怪我のないようにお祈り申し上げます。

こんどのお役が終わったら、厩舎で会いましょう。私は厩舎ではオマンコスキーという昔の名前で出ていますから、訪ねて来てください。

赤兎馬焼酎を呑んで、呑んで歌って歌って呑んでとまいりましょう。25度のコップ酒の一気飲みなんかもやりましょう。
まずは、レースの疲れを笑い飛ばすことからはじめて。
そして、翌朝からは狭い厩舎を出て、広い草原で草を食べたり空を見上げたりして、いろんなことを語らいあいましょう。
ウマの幸せとは何ぞやとか、今度のジョッキーは誰だろうとか、厩舎の係員は誰がいいだとか。

まあ、もうしばらくのご奉公です。お互いがんばってまいりましょう。ご健闘をお祈り申し上げます。