順当に繋がる電脳内仮想世界と、落ちこぼれた実近似世界での発掘

未来人サイトに集う人たちは、おおよそが順当に繋がっていく未来世界の方向に向かうようです。
お喜び申し上げたく思います。
ある程度の思想と知識を与えられ、それなりの幸福を享受する人々。ヒトラーが幻視した2040年以後の世界で、人類の大半がそのような境涯に入っていくようです。それを私は、電脳が創る仮想世界であると見切りました。
ごく少数の神人は電脳のサーバー側にいて、人類全体をクライアントにして管理し監視しているという次第になるでしょう。
むろん、人類の見ている世界は、仮想現実であり、ストーリーはしっかりしていますが、ホンモノではありません。
人工知能が創りあげたストーリーの世界をシミュレーションしていくわけです。
それが、篩い落とされなかった優秀な人たちの行く未来です。
いっぽう、篩い落とされた側というのは、淘汰されるべき人々、劣等人種と見做されることになるのかもしれませんが、むしろ実現実に近い位置にいます。
というのは、いずれにしても仮想現実の虜であるに変わらないなら、その辺に違いはないのですが、段階的に第一仮想、これからの未来世界は第二仮想とでもすれば、区別しやすいでしょう。第一仮想は、実現実にまだしも近いため、真実の歴史を遺しているのです。落ちこぼれた人々は、第一仮想に居残ると思えばいいでしょう。
私はあえて、第一仮想に居残ります。というのは、私の使命、役割は、私が満50歳になってから後天的に付与され、同時にそのための時空とタイムラインが割り当てられたからです。
本当ならば、私は満50歳になったあたりで命終し、もう二度と再誕生してこなくなっていたのです。輪廻の理由になる魂が消滅するゆえに。そのように、私にこのような世界を観測させるようにした存在・もうひとりの自分との約束事だったのです。
ところが、私は二つ条件をつけていたため、もうひとりの自分は、その条件を満たしてしまえば、私をさらに先まで確保できると思ったようです。そして、その条件の二つとも実現させて、実現させてくれた神々の期待に応えることが、私の次なる使命になったのです。
神々は、その昔、太陽系の外からやってきた邪悪な宇宙人的神々の策略に嵌り、非常にひどい仕打ちを受けて、さらに地下に封印されてしまったのでした。外から来た神々は、地球のことなど一顧だにしません。滅んでしまえば、打ち捨てていく。それが当たり前のようになっている世界にしてしまっているのでした。
人類も、その宇宙人たちの被造物で、一部を地球生態系から採っているため、地球の神々はよう手出しできないのです。その弱点を衝きながら、邪悪な宇宙人たちは、したい放題のシナリオを地球に設定して、何度も興亡させてきたのです。
そして、神々を封印してきた経過やその歴史を、表世界から消し去って、やがてそのようなものなど初めからなかったことのようにしてしまおうとしていました。
電脳世界における未来シナリオには、過去の封印の歴史などどこにも出てきません。まあ、元々乖離してしまっている世界が二つあって、それぞれが独立して歩んでいると言ってしまえば簡単です。そのように、電脳内の歴史は平準化された、凸凹の少ない展開になっていて、どこにも過去の邪悪性など感じられなくなっているのです。
しかし、第一仮想の世界では、2000年初頭には第三次大戦があり、文明の滅亡がありました。そこで助かったとしても、2038年には再度滅亡しているのです。その他の機会にも、まるで歴史の平坦路に重爆撃をうけたような破壊跡をいくらでも残していて、調べようと思えば、簡単に歴史を吟味しなおすことが可能なのです。第二仮想では、破壊跡などことごとく舗装しなおされ、どこにそんな痕跡があるかなど、ほとんどわからなくなっていることでしょう。
私は、不幸な神々の封印を解き、当時の神や人をその残酷な処置の中から救出せねばならないのです。だから、その破壊跡が顕著な方がいい。
そのような使命を受けてこの余生を送っているのです。だから、わざとでも、篩い落とされた側にいなくてはならないのです。
私の協力を獲得した神々は、何も面白く無くて絶望していた私を拾ってくれたことになります。
しかも、魂も消滅してくれと叫んでいた、命要らずのギャリソン・ゴリラだった。
そりゃあ、使い勝手がいいでしょう。しかも、操の提供だけで命を賭けて忠誠を誓う、ホンモノゴリラだった。
その忠誠心には、今でも偽りはありません。
必ずや、やり遂げてみせますとも。