キリストは正神を目指す途上にある

人間とは、アリンコの如く、一寸先も見えない存在だ。
人間・イエスキリストもそうだった。
当時彼は、未来において世界最大の宗教を形成するもといになるとは、よもや思わなかったはずだ。
彼のした行為は、真理を体現し、述べ伝えることだった。聖者ならたいがい慣習としていたように、人間愛に基づき、後輩に知らしめたいことを、弟子をとって教育していたに過ぎない。その弟子たちが、何か野望を持って、広宣流布したというのでもない。ただ、メシア待望の空気に乗ってしまった宗団があったというわけだ。
彼らを利用したのは、邪神の手下としての為政者たちであった。同時並行的に現れたマホメット率いるイスラム勢力に対抗する宗教として擁立されたのだった。こうして戦闘勢力としての教団が政治と結びついて巨大化していった。
キリスト教は、その教義、あるいはキリスト自身の意志とは裏腹に、世界最大の殺戮勢力となって君臨し続けた。それによって、キリスト本人が正しい神だとする認識が誤っていることが分かる。もし彼が神ならば、教団の横暴や戦争で死んでいった者たちへの責任を取らねばならない。
私のもとに、メイさん身内さんを通じて、正神に準じたいとサインを送ってきたのは、弥勒でありニギハヤヒだった。彼は、古代日本にメーソンの使者として革命を起こすべくやってきた。メーソンの世界統一の理想を最善のものとして、彼自身は理想に燃えて取り組んだのであった。しかし結果は、歴史が物語るとおり、理想とは程遠いものでしかなかった。彼は騙されていたのだ。そのことに関して、彼は単に先の先までは読めない人間として振舞ったに過ぎない。が、彼が正神たらんとして改悛の心で臨むなら、かつてあった過失をまず償おうとするものである。私としてはその贖罪行為を以て計るしかない。有言実行。それが求められていたわけだ。そして、実際に正義の台頭、つまり正神勢力の拡大という展開として証されてきているゆえに、彼は正神たりうると考えるものだ。
その点、キリストからはまだサインがない。そう思っていた。しかし、荼毘珍はじめ古代のキリスト教成立時の経緯などが、冒険的な研究者によって明るみに出されることで、彼がでっちあげられて神キリストとなったことが明らかになってきた。そうやって、まず彼は原点に立ち戻ることから始めていると見られるわけだ。やがて彼は、創られた虚像であるキリスト教会を解体するところまで持っていくことであろう。そうして初めて、彼はしてきたことの事の顛末までの清算を終えるのである。かくて抑圧的な世界宗教から受けていた呪縛から人々は解き放たれることになる。原罪意識の悲しみの池から、多くの正神たちがケアーの手を差し伸べて救い出すことだろう。
キリストは正神を目指す途上にあって、いま奮闘努力しているところである。身内さんはお見通しだ。