くまの星の王子様・その1・・・にんにくのおなら

にんにくのおなら
ときおりうちにやってくる「たまちゃん」。もうみなさんはごぞんじかな。
そのいきさつはここに書いてあるよ。↓
https://ufocolumn.blog2.fc2.com/blog-entry-277.html
そう。「たまちゃん」は地球の女神のことなんだ。
とにかくぼくがちょっと「たまちゃん」が来そうだなと思ったら、もうベランダの窓を通り抜けてやって来ているんだ。これって、予知というよりテレパシーだろうな。
短い足をちょこまか動かして動作は俊敏だ。といっても、彼女、すそまで垂れた修道服着ているから、足運びまでは分からないんだが。
そして椅子に座るぼくのひざの上に飛び乗ってくる。ぼくはそれをしっかと抱き取って、ごあいさつの口づけをする。
その元気さは最初に会ったときとはまったく比べられない。あのときは絶望しきった瀕死のありさまだった。
だがいまはどうだ。口づけと同時にすかさず右足でぼくの股間をふんづけたりする。あの日もそうだった。だが、だめだよ、今はなにもする気ない。
そんな日ばかりになると彼女、愛がさめたかと思わないかと、そんなときはなんども口づけする。
そして、こうやってノートパソコンの蓋を開けて画面をのぞいてもらう。
おや?ししとう君がなにか深刻なこと書いてきてるぞ。「たまちゃん」ものぞいている。分かるのか?日本語が。なんせいちども言葉を話したことがない。
ぼくの話は理解して、うなずいたりの身振りで返してくれるのがいつもだ。ぼくの理解を読み取ってるんだよな、きっと。
おやおや、ししとう君はこんなふうだったのか。かわいそうに。板ばさみになっているんだろうな。いっしょにやってきた人たちも明日はどうなるとも知れない。
人の作ったシステムというのは、節約とか効率化とかリストラとかいってがんじがらめに作っておいて、それでいて間抜けもいいとこなんだよな。後先考えずにゴミは出すは、CO2はふりまくは。アリンコのあつまりだから仕方ないなどと言っていたのはまだお追従。アリンコに失礼というもの。
そしてししとう君のとこにも、がんじがらめのシステムのつけが回ってきたようにぼくには思えた。
だが、神話で助けることはできるかも知れない。「たまちゃん」よお、彼のためにひとつ大きめの地震があってもいいと思わないか、なんて話すと、「たまちゃん」きょとんとしてぼくを見ている。あっそうか、君が元気だから大地は鎮まってるんだったね。
だが、「たまちゃん」。君もてきとうにハメはずしていいんだぞ。あんまり一生懸命になっても・・・あ、そうか。君は何事も全力投球だったな。ごめんごめん。凛とした彼女のまなざしに謝った。
そのとき「たまちゃん」いきなり画面の右側の画像を指差した。ブログの中腹くらいにあるクリック募金のCMだ。何種類も募金先があって、読者のワンクリックで1円か2円が自動的に寄付されて、全部やれば一日20円くらい寄付したことになるだろう。スポンサーも同時に募金することがあるから、けっこう集まることになる。
ぼくは「たまちゃん」が動画が気に入ったのかと思った。そこで閲覧しにいった。すると「たまちゃん」は次々とクリック先を導くように指定していく。なんとその先に、中国のシンレイ山脈森林回復プロジェクトのムービーがあった。
うんうんと、ぼくはビデオを見た。それ以上はししとう君のことを思うと書けなくなる。人は誰だって、これこそ良しと思ったことに地道を上げるものだ。社会がそれを望むから、それに応えて、人はその実現のために集まりその時々の人の要求を実現していくものだ。
ん? 「たまちゃん」もしそうならししとう君にこの仕事をしてよってか。えーっ? 確かにそれは「たまちゃん」が何十億年手がけてきたことには違いないけど。
そうねえ。何にでも時期というものがあって、社会の嘱望する志向が変われば、こんどはそっちのほうに移動しなくてはならなくなることもある。しかし、今は何もかもががんじがらめで、そんなことは絵に描いた餅だ。
人は思考の柔軟性がフルに発揮されてようやく幸せを感じるものだ。しかしハードルがたくさんありすぎる。社会システムが規制規制のがんじがらめで融通の利かないことといったらない。
それに社会がさほど要求していないから、やったとしてもお金が儲からない。農村部ですたれかけた農業を彼らの土木技術で支えて、この国の食糧事情を良くするといっても、やはり国産作物には需要が少ないから、お金が儲からない。こっちのほうにこそ公共事業のルート作りをすればいいのに。予算は軍備と外国に垂れ流すばかりときている。変な政治家が多いから。
贅沢と便利に慣れてしまった生活を、昔の慎ましさに戻すというのも、人はなかなかできはしない。少ない給料と農産品という現物でいただけたらいいと思うんだが。車がほしい大型テレビがほしい蓄えがほしいと、人は高望みする性質があるから、やはり無理だろう。
やっぱり「たまちゃん」よお、一発どお?
と、そのとき朝方食べたにんにく一根のせいか、ぷーっと一発猛烈に臭いのを放屁してしまった。「たまちゃん」は臭いといった様子もなく、むしろ匂いに酔っているようだった。
やっぱり頼めないな。

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