日本の顔?的鳥の黄昏

日本を代表する鳥といえば、コウノトリや丹頂鶴ではない。
すずめとカラスだ。
平和な幸せ者と、自由勝手気ままな嫌われ者。
それらが村里や町中からしばらく姿を消した。
18日にやっとそのことに気づき20日まで、どこを探しても一羽も見つからなかった。
下界では黄金の稲穂が台風禍をかいくぐって豊作であったのに、
それを早々に愛でて群がるかしましい連中はどこにもいなかった。
案山子も銀紙テープもカラスを模したビニール袋も、無駄な努力のように、
兵庫県南西部の空は生命感がぷっつりと途絶えていた。
そういえば8月の暑いある日に、こんなことがあった。
車のフロントガラスのところで、パタッと音がした。
見れば、すずめが一羽、ワイパーの上にとまっている。
長い間動こうとせず、何かを警戒しているようだ。
見れば向こうのポプラの葉陰がごそごそ動いている。
と、そのとき別のすずめが、叩き落とされるようにして地面に落ちてきた。
そして、さも理不尽そうにポプラの方を見上げている。
葉の中では、ふた周りほど大きいムクドリのような鳥がごそごそしており、
お宿を奪われた二羽のすずめは、傷ついているらしく、
ふらふらとどこかへ飛んでいった。
車にしがみついていたすずめは、きっとギャングたちといえども、
人間にはかなうまいと、とっさの知恵を働かせたに違いない。
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その後のことだった。すずめが外来種の鳥の攻撃を受けて数を減らしているという話を聞いたのは。
が、カラスもいなくなっていたのは、なぜ?
時には猛禽の鳶でさえ、一羽で追い散らすというのに、
あんな小型鳥程度にやられるものだろうか。
そこで、はっと気がつく。
すずめやカラスの激減という天の異象が予兆するものに・・。
これは近未来の日本なのかも知れない。
おりしも株式の世界に外資がどんどん流れ込んで、株価を吊り上げていた。
日本の機関投資家は逆に引いている。
何かおかしい。
おーい。すずめはどこへ行った。お宿があるなら教えておくれ。
20日の夕刻近くなったときだ。
車を走らせている目の前を、二羽のすずめがよぎっていった。
その飛んでいく方向を見やれば、一軒の農家の屋根のてっぺんに、
50羽ほどのすずめが一列になってとまってこっちを見ているではないか。
チュンチュクいうかしましいあの声も。
見れば、驚いたことに、農家の向こうの電柱と電線に、
三羽のカラスが並んでとまってこっちを見ていた。
まるですずめの保護者みたいに。
おーおー、お前たち無事だったか。
私たちは元気です。
そんなふうに聞こえた気がした。


22日には早朝から車庫でカラスと2mの接近遭遇をした。
おお元気かと言うと、カアーと鳴いて返してきた。
後ろにはすずめの声がチュンチュクしていた。
少しはなじんだのだろうか。
彼らはゴミ荒らしをし穀物を荒らす、町中、村里の嫌われ者だ。
だが、彼らほど日本古来の精神を残した鳥はいない。
日本建国に関わった鳥はカラスだった。
すずめは無邪気な平和主義者として日本昔話でおなじみだ。
どこか日本人に似ている気もする。
カラスよお。お前らヤクザだけど、いざとなったら守ってやってくれよ
と黒スーツのカラスに声をかけた。

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